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[ 新書 ]
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スラウェシだより―地方から見た激動のインドネシア (アジアを見る眼)
・松井 和久
【日本貿易振興会アジア経済研究所】
発売日: 2002-05
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,001円〜
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・松井 和久
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カスタマー平均評価: 5
インドネシアの開発を1人の人間の視点から見る 本書は、筆者のスラウェシ島滞在の経験をもとに書かれています。アジア危機後のインドネシアの変化を、1人の人間の視点から描き出しています。私がここで取り上げたい本書の特徴は以下の2点です。1点目は、普段描かれることが少ないインドネシアの「田舎」についての体験記です。それは、地方政府の役人もいったことがないような島々を巡り、人々の生活・文化を伝えています。2点目は、アジア危機およびその後の政変を地方から描いている点です。経済危機の際の暴動の様子、地方分権化における地方首長たちがイニシアティブを取る様子など、長期に現地に滞在しない限り描写できないことを描き出しています。
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[ 文庫 ]
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毛沢東の朝鮮戦争―中国が鴨緑江を渡るまで (岩波現代文庫)
・朱 建栄
【岩波書店】
発売日: 2004-07
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,000円〜
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・朱 建栄
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カスタマー平均評価: 5
中国の参戦過程を解明した先駆的名著 朝鮮戦争最大の謎であった中国の参戦過程を解明した同タイトルの書物の文庫版。単行本版はまだ中国が史料をあまり公開していなかった1991年に出版されたが、文庫版ではその後公開された史料や研究成果を踏まえて第一章を全面的に書き直されている。中国の政策決定プロセス自体今もってあまり解明されているものが少ない中、とりわけ謎であった朝鮮戦争の参戦過程を、当事者へのインタビューや一次史料を活用して解明しておりその後公開された史料や単行本版の出た後に出たテーマ
の本とも寸分たがわぬ分析で、十分時代の試練に耐えられる研究書である。
私は本書を読むまでは中国は北朝鮮の南進を早い時期から支持し、中国の参戦も事前に北朝鮮と申し合わせた既定方針だとばかり思っていたが、本書を読むと、実は中国は北朝鮮の南進に消極的で支援さえしていなかった事が分かった。参戦も、威勢のいいスローガンとは裏腹に大きな不安を抱えての参戦だったことも判明した。また参戦が中国に与えた影響として、参戦過程で毛沢東の強いリーダーシップのもとで参戦が決定され、結果的にそれが成功した結果、毛沢東の威信が高まり、独裁に拍車がかかったという結論も的を射ている。
中国は朝鮮戦争に参戦した結果、国際的威信を高めたが、反面毛沢東の威信は途方もなく膨れ上がり独裁に拍車がかかり、毛沢東に逆らうものはいなくなり、毛のイニシアティブで行われた強引な政策である大躍進を始めたときそれを面と向かって反対するものはいなかった。そしてそれに失敗し威信を失墜させた毛が権力を再び自分の手に戻すために文化大革命にはじめた事を考えると、朝鮮戦争参戦はその後の中国の歩みを決定づけたといってもいいだろう。
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[ 新書 ]
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ラオス―インドシナ緩衝国家の肖像 (中公新書)
・青山 利勝
【中央公論社】
発売日: 1995-05
参考価格: 754 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,000円〜
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・青山 利勝
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カスタマー平均評価: 4.5
ラオス旅行、必携の一冊 ラオス旅行の際、これ一冊をザックに放り込んでいきました。
同国の歴史・生活文化から経済・法律・政治体制に至るまでを手堅くカバーしています。
また新書ですので、旅の荷物にしても全く邪魔になりません。
よくぞこのサイズにこれだけの情報を盛り込んだものだ、と驚かされます。
社会主義革命後も元国王を大統領顧問とし、古来から続く宗教・伝統も否定しなかった国。
今やビザ無しで旅行出来る魅惑の小国を、是非本書と旅して下さい。 10年前だが、何も変わっていない ラオスの基本を押さえるには 欠かせない本 バランスよく、ラオスおよびラオス人の過去と現状を適切に押さえている。 また、日本人に関する事件など、消されようとしている記憶もきちんと記述されているが、こういう事件を通じてこそラオスが理解できます。 もう一度ちゃんとノートをとって読みたい本です。
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[ 文庫 ]
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忠誠と反逆―転形期日本の精神史的位相 (ちくま学芸文庫)
・丸山 眞男
【筑摩書房】
発売日: 1998-02
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 1,000円〜
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・丸山 眞男
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カスタマー平均評価: 5
丸山は何を問うていたのか 表題ともなっている「忠誠と反逆」をはじめ、「歴史意識の『古層』」といった有名な論文を収録した丸山真男の論文集であるが、いちばん最後に収録されている「思想史の考え方について」を読み通して初めて、何か腑に落ちた感を覚えた。川崎修の解説にあるように、この本が「最も丸山真男らしい丸山真男が現れている」ものであるとするならば、丸山が問い続けていたのは、「自分」から導き出され、「自分」に還っていく、そのような問題系ではなかったか。
「近代啓蒙主義者」と形容されるのも故なしとはできない丸山ではあるが、西洋近代的な理性や合理性、あるいは中国的な思考様式をもってしては括りこめない何か、よくわからないが確かに感じる何かへの探求こそ、ここに収録された諸論考に丸山を導いたのではなかったか。自らの外を取り巻き、内を満たし、それなしでは考えることも自分であることすらもできない「何か」。
この「何か」への問いへのこだわりが、見方によっては「日本嫌い」とされたり「ナショナリスティック」とされたりするのだろう。だが、丸山が垣間見せるような、頭で考えるほどには思うようにならぬ自らに対する苛立ちや、気がつけば親先祖の代から自らへと受け継がれている「伝統」への気付きと無縁でいられる人間が、いったいどこにいると言うのか。
そのような観点から評者は、丸山の日本思想史への思い入れや「古層」へのこだわりを理解する(むろんこれは評者の勝手な解釈に過ぎない)。個人的には、「他人事としての研究」よりも「我が事としての研究」にシンパシーを感じる質なので、読み始める前に比べれば、丸山への好感度は明らかに高まった。 リアリストとしての丸山眞男の一面が見られる作品 『忠誠と反逆』は、幕末期〜明治期にかけての論文集であるが、特に「忠誠と反逆」は、幕末期に忠誠の対象を失ったように見える敗者(幕臣)が明治期になってもその野性を失わず抵抗の精神を持ち続けながら生き続ける様子。「開国」では、徳川幕府を「絶対主義体制」ではなく、戦国期の「割拠制」をそのまま凍結させたもの、と解釈する著者のリアリティーのある文章は一読する価値あり。学術書だけでなく文学作品としても面白い作品。
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[ 文庫 ]
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ボディ・サイレント (平凡社ライブラリー)
・ロバート・F・マーフィー
【平凡社】
発売日: 2006-02-09
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,000円〜
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・ロバート・F・マーフィー
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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社会学入門 (1971年) (潮文庫)
・清水 幾太郎
【潮出版社】
発売日: 1971
参考価格: オープン価格
販売価格: 品切れ中
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・清水 幾太郎
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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虫喰い問題による実力度チェック 社会福祉士国家試験・専門問題〈2005年〉
【ユリシス出版部】
発売日: 2004-08
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
中古価格: 1,000円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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文明の生態史観ほか (中公クラシックス)
・梅棹 忠夫
【中央公論新社】
発売日: 2002-11
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,000円〜
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・梅棹 忠夫
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カスタマー平均評価: 5
中学生でも十分理解できる内容 個人的には、この会話しているような、くだけたこの著者の文体はもともと気に入らないし、内容も軽いと思うのですが、それは別としても、着眼点は面白い。
着眼点が面白いというのは、オリジナル性があるということです。
オリジナル。つまり哲学があるということです。
そのため、難解な哲学の著書がある「中公クラシックス」に並べて入れられているわけですが、たぶん「中学生でも十分理解できる内容」です。
内容的には単純明快で、砂漠地帯に発する騎馬民族の諸国周辺(中国・インド・ロシア・アラブ)は、たとえ優秀な文明の発祥の地であっても、たいてい騎馬民族によって幾度も破壊されてしまうわけですが、日本のように離れた場所は優秀な文明を受け継いで独自に継続して発展していくという論調です。
だから・・・日本人は優秀なのかとなると、個人的にはアホらしいですが、中学生ぐらいにはワクワクすることでしょう。
それから、「無階層社会にむかって」という現代日本の考察が載せてありますが、格差社会に向かっている今日、ここは極めて重要だと思いますので、せびご一読願いたいと思います。
和辻哲郎に「風土」という名著がありますが、あわせて読むといいと思います。
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[ 新書 ]
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尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか―試される二十一世紀に生きるわれわれの英知 (隣人新書 (07))
・村田 忠禧
【日本僑報社】
発売日: 2004-07-01
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,000円〜
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・村田 忠禧
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カスタマー平均評価: 3
尖閣諸島の初中級レベルの本 この本は前半73ページが日本語、後半50ページが中国語訳で書かれている、ポケットサイズの書籍である。所々に井上清が著した"「尖閣」列島―釣魚諸島の史的解明"を引用しているので、先ずは井上清の本を読んで、その後にこの本を読むことを勧める。井上氏の著作が100%中国側に立っているのに対し、村田氏のこの本は中国側に不利な資料も少しだけ掲載されている。
現在中国は、尖閣諸島は台湾省に属すると主張しているが、台湾の鄭政権が1683年に清朝に降伏し、翌年清は台湾を福建省に付属せしめて台湾府を置いたのであるから、それ以前の史料を以って中国領有論を展開するのは無理があるのだが、著者がそこらへんを理解しているかどうか疑問である。"ニッポン人なら読んでおきたい竹島・尖閣諸島の本 "(別冊宝島)を尖閣の初級レベルの入門書とすると、この"尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか"は、初中級レベルの本である。 一定の立場に立った著書 魚釣島を釣魚島と表記していることから推測されるとおり、中国に有利な事実及び法的解釈を重点的に記述している。
著者自らも本書で述べておられるが、政府やマスコミなどの見解は、必ずしも正しいとは限らない。学者の論も同様であり、その学者の立場により、意図的にまたは無意識に語られない事実や解釈がある。
尖閣諸島問題のように、紛争の根本的解決となる要素がない問題では、完全に中立的な立場などありうるべくもなく、著者の立場を推測しながら読み進めることが重要である。
本書とは別の立場である、例えば日本に有利な事実を重点的に述べた他の文献を読んでこそ、より深い理解が得られるであろう。
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[ 文庫 ]
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情報様式論 (岩波現代文庫)
・マーク ポスター
【岩波書店】
発売日: 2001-10
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,000円〜
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・マーク ポスター ・Mark Poster
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カスタマー平均評価: 5
一粒で二度おいしい本 メディア論というのは不思議に孤立した学問だ。今起きていることは画期的なことなのだとそれはしばしば言うのだけど、いったいそれがどの程度画期的なのか、過去の学問とのつながりもなく主張されるために、素人にはよくわからないのだ でもこの本は違う。この本は社会理論や哲学など今起きている情報社会の動向とを見事につないでみせている。 その際、戦略的なポイントとなっているのは、次のことだ。よくものごとの有り様は、それが展開された段階になってから振り返るとよく見えることがある。たとえば進化した人類の体の仕組みを知ったうえで、その進化の途上にあった猿たちを調べるとその体の仕組みがよく見えてくる。マルクスは『資本論』でそう言って、資本主義の段階から振り返ってそれ以前の時代をとらえなおした。 ポスターもマルクスと同じ戦略を使う。つまり情報のやりとりの様式は、(1)声による段階、(2)印刷物による段階、(3)電子メディアによる段階とに分けられる。そうして私たちは現在、(3)の段階にいる。この段階から振り返ることで、まだその段階に十分にはたどり着いていなかった頃の社会理論の欠点や、それを予告しながらも十分には展開できなかった哲学の本当に言いたかったことが、見えてくるというのだ。 こうして現在の情報様式の段階から社会理論と現代哲学が再検討される。と同時に、現代の情報文化のどこが画期的で重要なのかが、社会理論と現代哲学をふまえながら検討されることになる。ポスターはこの本で、これまでの社会理論や哲学ばかりでなく、現代の情報文化のありようも明らかにしてくれているのだ。 というわけでこの本は一粒で二度おいしい本なのだ。 さてと、もう一度読まなくちゃ!
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