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辻仁成

  アイテム一覧  
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マダムと奥様 (光文社文庫) サヨナライツカ (幻冬舎文庫) 右岸 嫉妬の香り (集英社文庫) 冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫) そこに僕はいた (新潮文庫) 海峡の光 (新潮文庫) 明日の約束 (文春文庫) ミラクル (新潮文庫) 白仏 (文春文庫)
マダムと奥様 (光文社文庫) サヨナライツカ (幻冬舎文庫) 右岸 嫉妬の香り (集英社文庫) 冷静と情熱のあいだ―Blu (.. そこに僕はいた (新潮文庫) 海峡の光 (新潮文庫) 明日の約束 (文春文庫) ミラクル (新潮文庫) 白仏 (文春文庫)


マダムと奥様 (光文社文庫)

[ 文庫 ]
マダムと奥様 (光文社文庫)

・辻 仁成
【光文社】
発売日: 2009-04-09
参考価格: 680 円(税込)
販売価格: 680 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 255円〜
マダムと奥様 (光文社文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:   0

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

[ 文庫 ]
サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

・辻 仁成
【幻冬舎】
発売日: 2002-07
参考価格: 520 円(税込)
販売価格: 520 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4
愛したことか愛されたこと
僕は、愛されたことを思い出す。 愛し愛されたことを思い出せるのが一番なんだとは思いますが。
何コレ?サイテイ
読みながら、常に頭の中に『?』マーク。読了後は怒りと時間の無駄使いだったと後悔。てか買った事自体に後悔。この主人公の男は一体何様?何?『好青年』って。女をバカにするにも程がある。このバカ男の『悲劇のヒーロー』ぶった言葉や思考の一つ一つが頭にきて仕方なかった。ただの優柔不断で弱虫なだけじゃん。こんな男に惹かれちゃう女達も女達だけど。そんなダラシナイ男でも何故か惹かれちゃうって女の気持ちは私にもよく分かる。実際私もそうだから。だから余計に腹が立ったのかもしれない。女の気持ちをいいように弄ぶナルシスト男物語としか思えませんでした。最後の著者本人によるあとがきにかえても、だから相当鬱陶しかった。辻さん作品を読むのは初だから、彼の作品全ては否定しませんし、辻さんファンの方には大変申し訳ないですが、あの本人によるあとがきを読んで、もう辻さん作品に手を伸ばすことはないだろうと思ってしまいました。
愛に苦しんでいる人に
酷評が続いているので擁護したくなりました。 わたしは、これは寓話でありながら、本質もついている作品と思います。 25年間、愛の思い出だけで生きていけるのか。 これほど魅力的な二人が浮ついた話がいっさいなしに25年間過ごすなんて本当にあるのか。 残念ですが、なかなか現実はこうはいきません。 人間というものは、本当にしょうがない生き物ですので。 でも、こういう設定にしないと美しい物語になりませんからね。 ですが、二人の狂おしいまでの愛情について、これは本質をついていると思います。 苦しい立場の恋愛をしたことが無い人にはわかりづらいかも、、、。 また、人生経験が短い人や結婚生活の現実を知らない人にも、わかりづらいかも、、。 わたしも、若い頃に読んだらこの好青年に反発を感じたでしょうね。 恋愛で苦しい思いをしている人、思いをしたことがある人にお勧めします。
強欲で優柔不断な男の妄想
ちょっと気になってた女の子が「ものすごくいいから!」って薦めてくれたもんで読んだんですけど、この本が大のお気に入りって時点でもうダメですね。だってどう考えても強欲な上に優柔不断な男の都合の良い妄想話じゃないですかコレ。 こんな薄っぺらい「悲恋話」で、それなりの数の女性たちが「純愛」だの「運命の出会い」だの大騒ぎしていることに驚きました。登場人物の描写もテレビドラマ並みのいい加減さ。あ、でもこの程度のヌルさが「良い加減」なんですかね世間一般的には。
背が高くてスポーツマンで甘いマスクで賢い
とにかく登場人物の魅力が描写できていないです。 特に主人公はあまりにも魅力がなく、「愛」を描く上で一番の障害になっている気がします。 作者はこの主人公を「背が高くてスポーツマンで甘いマスクで賢い」と表現していますが、そんな風に書いたからってキャラクターの魅力が描けるわけではありません。 私から見れば単に欲に溺れ婚約者を裏切りながら、ばれることで「自分の立場」が台無しになること恐れて、婚約者にも浮気相手にもせこい嘘を繰り返す小モノにしか見えません。 作者は主人公、妻、浮気相手それぞれを「賢い」と設定(「賢い」と地の文に書くことで)してるのですが、行動や台詞からは最後まで真逆の印象しか持てませんでした。 浮気相手の描写も「黒い長い髪」とか「切れ長の目」とか「肌が白い」とか「服の脱ぎ方がセクシー」とかうわっつらのステレオタイプな描写ばかりで魅力的に思えませんし、エロティシズムもありません。 その漂う色香を言葉にしてみせるのが小説家でしょう。 表現の域に達していない「説明」的文章も多く、さらに妻の台詞が特にそうなのですが、しゃべってるはずの言葉まで説明的でとても生きてる人間がしゃべってると思えません。 キャラクター3人とも「愛されるような魅力」が感じられないことと、文章、表現の稚拙さがあいまって作者という存在がスケスケに透けて見え、全てが嘘っぽく、小説世界に入り込めません。 もっと「魅力的な心」を描かかないことには小説にならなと思います。

右岸

[ 単行本 ]
右岸

・辻仁成
【集英社】
発売日: 2008-10-11
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 890円〜
右岸 ※一部大型商品を除く
辻仁成
カスタマー平均評価:  3.5

夢とかファンタジーを文学に要求するのは、自分が何もわかっていないからかもしれませんが、あまりに現実的な話しに痛々しくなり、感動がなかったです。何か別の世界を期待したのですが。
感動しました
冷静と情熱の間の最強コンビ再び。 九と茉莉、そしてそれをとりまく周りの登場人物。 「右岸」を読んでから「左岸」を読んだのですが、 あまりにせつなく、あまりにも冷酷なストーリー に思わず涙がこぼれおちました。 両方読んだあとまた読み返したくなる作品です。
忍耐で読みました
最後まで読むのに忍耐を要する作品でした。 読み始めたから仕方なく最後まで読みましたが、再読することは一生無いでしょう。 淡々としたストーリー展開で、物語に深みや奥行きが無く、性描写にいたっては必要性が感じられない箇所がたくさん…。 「冷静と情熱のあいだ」が良かったので、江國さんとのコラボ作品という事に期待しすぎでした。 感動した方には申し訳ないけれど、作者の他の作品と比べると駄作としか言いようがありません。
読み応えはあります。
読みながら考えさせられることが多い作品で、一気に読んでしまいました。主人公の人生があまりにも波乱万丈で、読み終わった後にショックな出来事があった後のような疲れを感じました。ちなみに「冷静と情熱のあいだ」とは全く違うタイプの作品だと思います。余談ですが福岡県民の私としては方言が多用されすぎていて、ちょっと不自然に感じました。
江國香織さんの「左岸」と対になる物語です
超能力があることによって九の人生は大変難しい。その困難と悲しみが精神世界っぽい事柄にもつながってきます。 いつもならスピリチュアルなものってスーッと心にしみ込んでくるんだけど、どうも自然じゃなくて、うまく入り込めなかった。 で、Hシーンがやたらに多い。官能的で美しい描写でもなく、そのへんにも女性は引きそう。 九の初恋の人・茉莉。 他の女性に恋をして結婚し、子供まで出来ても九の心の中にもいつも茉莉への思いが消えることなく残っていた。 九の一生は茉莉への思いであふれているというのに茉莉にとっての九は「幼なじみ」でしかない。 この決定的な温度差は悲しく、愛し愛されることの難しさを痛感します。 それぞれの壮絶な50年・・・。でも物語の締めくくりは穏やか。 こんな生活がずっと続いてくれれば・・・と、 彼らの当たり前すぎて気付かないほどのささいな幸福を祈ってなりません。 まだ「左岸」も「右岸」も読んでいない人には「左岸」から読むのをおすすめします。 「右岸」はオカルトチックなところがあるから、こっちから読むと引いちゃうかも(^_^;)

嫉妬の香り (集英社文庫)

[ 文庫 ]
嫉妬の香り (集英社文庫)

・辻 仁成
【集英社】
発売日: 2004-05
参考価格: 560 円(税込)
販売価格: 560 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
嫉妬の香り (集英社文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4.5
人間くささを感じます。
私は相変わらず、何か、を捜し求めていた。何か、こそが人間には常に重要なのである。 しかし、何かを最初から知って生まれてきた人間はいない。死ぬまで何か、に取り付かれ、 何か、を追い求め、何か、が何かわからず、中には精神が壊れたり、自死を選ぶものもでる。 私は徒然ほど恐ろしいものを知らない。変化のない環境で感ずる退屈とは、つまり、 人の死なのである。虚ろから逃げるために人は恋をし、愛の中に自分が生物として 価値があることを見つけ出そうとしている。 なるほどなあ??と思った作中の文章であります。
色々と思考を重ねた・・・
辻 仁成の本は色々な意味で「愛」について考えさせられる。そんな中でこの本もまた私は色々と思考を重ねました。本当の「愛」、そして「嫉妬」について私もまた主人公のように思いを巡らせました。
男女の嫉妬が愛を狂わす
私には嫉妬という感情はあまりない。

男の愛情の嫉妬は、なおさらわからない。
嫉妬のために自分の精神状態を苦しめ、
死に近づかずにはいられなくなってしまうなんて、
そんなにも、愛に惑わされてしまう男の人は
思い込みも激しくて、私はちょっとひいてしまう。

でも 小説としては、
かなり はまってしまった。

ミノリの「私はじわじわ心が動いていくタイプなの
少しずつしか人を愛せない」
わたしもそうだから、彼女の気持ちがよくわかった。
いろんなことがあって、それでも彼を愛せるミノリの
強さと潔さが私は好き。
たとえ彼が、彼女を選ばなくてもそれでもたぶんミノリは
自分の選んだ人生に満足なのだと思う。


冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

[ 文庫 ]
冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

・辻 仁成
【角川書店】
発売日: 2001-09
参考価格: 480 円(税込)
販売価格: 480 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  3.5
感情移入してしまう
Bluから読みました。 自分もこういう状況だったら…と考えると主人公の気持ちが痛いほどわかる。 近づきたくても、真実が知りたくても、それが怖い。 後でRossoを読んで、そうだったんだ!と思うところも多いですが、 私はBluから読んでよかったと思っています。 完全に片がつかないラストも好きです。
空の色のBlu
冷静と情熱のあいだ。 辻仁成さんと江國香織さんの別れてしまった男女の10年の物語をそれぞれの視点で描いた 同名タイトルの同時執筆作品。 私は辻さんの作品を後から読んだのですが、こちらを後で読んで正解でした。 時間軸でも、結末の時間が、江國版より辻版の方が少し後まで描いているので素直な流れで読めました。 どちらを先に読むかで印象が変わりそうな気もします。 順正のまっすぐさも、あいまいさも、単純さも、ひたむきさも、ナイーブさも私は理解できます。 過去・未来・現在。 どこにつながる人生を生きていくか、後半急激に揺れ動く順正の気持に、リアリティがあって共感できました。
永遠にないハッピーエンド
主人公が親からの育ちのせいか随分と屈折した性格で、 愛情を素直に表現できていないなと思いました。 たぶん、これから先、一緒になっても、またどこかでうまくいかなくなって しまいそうな感じがします。 永遠にハッピーエンドがこないような気がします。 物語、主人公の心理描写には最後まで、引き付けられて、面白かったです。
男らしい小説
自分の未来に不安を持ちつつも、あおいとの約束事に唯一未来を感じながら生きる主人公。愛とは何か、悩みまくったに違いない。十数年も同じ人を思い続ける事ができる人はそういないし、その点は尊敬できる。 タイトルも面白いよね。冷静になるべきか、情熱的になるべきか、駆け引きの上で非常に重要な問題。そのあいだでどう戦略を取るか。駆け引きだけではない。冷静と情熱的な登場人物がちゃんと区別されている。 フィレンチェの情景の描き方が好き。辻仁政にしかできない独特の言い回しである。 個人的にはRossoから読むのを勧める。
ストーリーのスピード感がたまらない
久しぶりに「先が読みたい」とどんどん読み進める本にあたった。 昔別れた恋人が、それぞれ別々の生活をイタリアで送っている。 しかし互いに忘れらず「30歳の誕生日にフィレンツェのドゥーモで会おう」という 約束に向って物語は突き進んでいく。 そのスピード感がたまならかった。 辻さんの描く男と、江國さんの描く女が一体どこで一緒になって新しい物語を紡ぎ出すのだろうか。 8年ぶりの再会に起こる出来事は何だろうかと、先を読み進めていた。

そこに僕はいた (新潮文庫)

[ 文庫 ]
そこに僕はいた (新潮文庫)

・辻 仁成
【新潮社】
発売日: 1995-05
参考価格: 380 円(税込)
販売価格: 380 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
そこに僕はいた (新潮文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4.5
年末読書三昧
このエッセイ集はいい。小学校から高校卒業までの、作者の生きてきた道が正直に語られている。すごく共感がもてます。この時期は誰しもいってみれば「黄金期」。自慢したいことも一杯あるでしょう。が作者に嘘はありません。(たぶん)一番ぐっと来たのが、本書にも中の良かった友達として書かれていた人物と後年連絡を取ったとき、向こうが「知らないから、会えない」と言ったという記述。胸にグッときます。甘酸っぱい思い出で充満している時期ではありますが、裏側をみると甘酸っぱいだけでないことが解ります。十数年行方不明だった友人との再会の章でも感じられます。甘酸っぱいだけでないからこそ、この時期の思い出はさらに甘酸っぱくなってしまうのかもしれません。スイカに塩をかけるように。 本書は好感の持てる良質なエッセイ集です。
辻仁成版・青春エッセイ
あまたの作家が自身の青春時代のエッセイを書いているが、これほど笑えて、泣けて、切ない代物は滅多にない。現在の辻氏の作品群と比較してみても、本書は全く堅苦しくなく、ライトな書き方。 辻氏はきっと、幼少時代から強烈に自我が強い人だった反面、いわゆる「普通の子供」の部分もきちんと持っていたのだろう。そのふたつの面が彼の中で均衡を保っていたからこそ、こんなにも鮮やかに青春時代を思い起こすことができるし、誰の胸にもすんなりとそのおかしさや切なさが伝わるものを書くことができるのだ。 どんなに時が経っても、辻氏の中にはいつまでも“あの頃の辻少年”が住んでいるのだ。そうして、その少年性こそが、辻氏を素敵な大人に仕立て上げているのだと思う。 …私もそんな人間になりたいなあ。
音信普通になっている友人を思い出しながら読める本
福岡(小学生)->帯広(小・中学生)->函館(中・高校生)と転校を繰り返した中で出会った友人やクラスメートとの思い出を記述しているエッセイ。 私も高校まで函館で暮らしていたため、辻氏のエッセイに登場する函館の場所や函館の人の性格などで故郷を思い出し、懐かしく感じることができた。 エッセイでは、新聞配達少年に憧れたり、好きな子に対して気持ちを告白できずにわざとイジワルしたり、多くの少年が経験したような当時の辻氏の思い出が詰まってて、読者が自分の少年時代の思い出とダブらせながら読むことができる。 また、本誌の中で「多くの過去の友達が、現在の僕とつながっていないように...」というフレーズがある。このフレーズを見て、私も昔の友人で、音信普通になっている人たちを思い出している。
おかしくも切ない。
この人の小説は幾つか読んだことがあります。 どれも、著者自身の繊細さがほの見えて、私は割と 好きな方です。 ただ、私個人の感想としては、どの小説にも登場人物に “笑顔”が見えないというか・・・。 読者も気難しい顔して読まなきゃいけないのか?という 気持ちになってしまうんですよね。 前置きはさておき。 このエッセイは、そんな気難しさは一切不要。 著者のおかしくも切ない青春時代のエピソードが 訥々と綴られています。 私は小学校時代の話が好きですね。 初恋の女の子に対する態度。同級生「ゴワス」の武勇伝(?) マロングラッセの話など、吹き出しそうになります。 ただし、最近まで北海道に住んでいたものとして、 一つだけ突っ込ませてください。 幾ら函館に住んでたからって、あの言葉の言い回しは ないでしょ?。 あの場面で「ちがうんでないかい」と言うよりは 「ちがうべやっ!」って言う方が自然ではないかと。
二度と戻れない時間
 少年時代の美し過ぎる時間に起きた由無し事々が、時間を経てみると何にも代え難い輝きを放っていた、そんな経験が淡々と綴られたエッセイ集です。辻仁成さんの人生観がひしひしと伝わって来るお薦めの一冊です。
 転校を繰り返していた少年時代に起こった数々の友人達の思い出が克明に甦る、その美しさを正直に綴りつつも、過去の思い出の地を訪れてみるとかつての友人達の記憶の中には自分は居なかった、そんな時間の流れの尊さと儚さを両面から描いています。
 筆者の中には、未だ当時の青春時代が続いているのだと思います。過去の時間を胸の内に秘めて描かれる辻作品の根底にある何かを、この1冊から薄っすらと読み取れるような気がします。辻仁成のエッセイ集として別に1冊、「そこに君がいた」もお薦めです。

海峡の光 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
海峡の光 (新潮文庫)

・辻 仁成
【新潮社】
発売日: 2000-02
参考価格: 380 円(税込)
販売価格: 380 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
海峡の光 (新潮文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4.5
圧倒されて一気に読んだ!すごいの一言
読まず嫌いというか、今回はじめて辻仁成の作品を読んだ。すぐに作品世界に引き込まれ、一気に読んでしまい、感嘆した。今まで読んでなかったことが口惜しい。 小説の舞台設定にまず心を引かれる。 青函連絡船の乗務員だった主人公・私(斉藤)が、連絡船の廃航を見越して、いち早く船を下り、函館の少年刑務所の看守になり、船舶訓練教室の副担当官になった経緯と、そこに現れた受刑者が、小学生の頃、私を執拗に苛めていた花井修であり、訓練のために海峡に出るという、場面展開など、作品世界に一気に引きずり込まれる。 花井に対する少年時代からの心の葛藤が丹念に描かれていく。 花井という人物がなぜそのような人格を持っているのか、と言うところは、読者の想像に委ねられているだけで、明らかにはされていないのが、残念なような、あるいは、だから、強く心に残ることになるのかもしれない……。  
詩的な物語
最近詩的な小説を手にすることが全くなかった。 いわゆる、ビジネス本や、時代小説、推理小説、キャリア本等等、そんな本を読んでいた。 これは珍しく知人からもらった本である。 人から薦められる本と言うのは、全く未知のものである程おもしろい。 これはそんな本であった。 久しぶりに詩的な本を読んだ。一瞬の内に異空間に迷い込む。これが芥川賞系の本なのだと素直に感じた。はらはらどきどきではない。何か懐かしさを思い出させ、口では具体的には説明できない感情の喚起、これこそ芥川系だと思う。 正にこの本は芥川系の本道を行っている。芥川賞受賞作なのだから当然なのだが。 日常の生活からすっと離れる時間を持てる、そんな本であった。
港町函館を舞台とした人間の心の深層
つい先日函館旅行をして、作者の「函館物語」を読み、そういえば本作が家にあったと思い、再読した。時期や内容から観て、「函館物語」は本作の取材旅行記のようなものであったのだろう。青函連絡線・街中のバー・刑務所と隣り合わせの競輪場。本作に良く表されている。 本作は主人公斉藤の心の動きを丁寧に描いている。昔苛められた同級生の花井が、斉藤の勤務する刑務所(函館少年刑務所)にやってくる。そこから斉藤の心は揺り動くのである。その心の動きは「函館」の街と密接にリンクする。まるで街が主人公の心を動かしているようである。作者は主人公斉藤の心の動きを容易な言葉で丁寧に描く。読者である我々はその筆力のお陰で斉藤の心の動きが手に取るようにわかる。トラウマなんて手垢にまみれた言葉で表せない、もっと複雑な心内なのである。読者である我々はみんななんらかの斎藤の気持ちを心に抱いている。だから共感できるし、物語の中に入っていくことができるのである。
小説として完成されている
殆ど文句のつけようはない。北国の自然を描いた描写は濃やかでどこまでも美しく、「私」の心理描写は人間の弱さをスリリングなまでに表現している。完成度の高さは、近年の芥川受賞作の白眉と言えよう。「ピアニシモ」以来地道に続けた作家活動の集大成だ。「サヨナライツカ」などで見せたストーリーの陳腐さは微塵もなく、正直よくぞここまで、と唸らせられる。作家辻仁成はここに極まった。
文章が煌めいている
文句なしの芥川賞。 素晴らしい文章です。 でも、ふっと思いました。 今の若い人がこれを読んでどう思うだろうか、って。 携帯小説もいいけど、こういった作品も読んで欲しいですね。

明日の約束 (文春文庫)

[ 文庫 ]
明日の約束 (文春文庫)

・辻 仁成
【文藝春秋】
発売日: 2008-09-03
参考価格: 560 円(税込)
販売価格: 560 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 263円〜
明日の約束 (文春文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4
5編の短編を編んだ新刊
辻仁成氏の2008年9月に発売された新刊。 見知らぬ女につきまとわれる郵便局員の生活を描いた「ポスト」、 内戦中の地域へボランティア医師として訪れていたところ、ゲリラに 襲われ未開の地にある集落で過ごすことで、自分の価値観や人生が変わって いく男をモデルにした「明日の約束」、 ピンク色の鳩と妻の姿を描いた不思議な「ピジョンゲーム」、 家族や犯罪や道徳的な罪が、物語の展開とともに明らかになっていく 「隠しきれないもの」、 歌を盗まれた背景に男と妻の心の重さを描いた「歌どろぼう」 この5編に加えてあとがきにかえて、「世界で一番遠くにみえるもの」 が収録されている。 著者の作り出す幻想的な世界観、はっきりしないが次第に見えてくる 情景が面白かった。

ミラクル (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ミラクル (新潮文庫)

・辻 仁成
【新潮社】
発売日: 1997-07
参考価格: 380 円(税込)
販売価格: 380 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
ミラクル (新潮文庫)
辻 仁成
望月 通陽
カスタマー平均評価:  4.5
お母さんはどんな存在か
不思議に温かみのある挿絵と文章を見比べながら読んで行くのがとても面白い本です。 途中まで同じ悲劇が続き悲し過ぎて読むのを止めたくなりますが、 主人公が悲しみや疑問に向き合って目に見えない、言い難い解決を得て嬉し涙が出ました。 お母さんがどんな存在か、自分はお母さんについてどう考えるか、 理解に至った決定的な部分ははっきりと言葉で示されていなくて、 考える余地を与えてくれる、その書き方が素晴らしいと思います。
"許してくれる人"
 妻の死を認められない父親に「母は生きている」と言われ、それを信じるアルは、とにかく母の面影を求めています。父親のシドがピアニストで、各地を転々としているので、一緒に旅をしながら、街行く婦人に母親の姿を求めているわけです。  印象的なのはシドのセリフです。「母親とは許してくれる人」だというのです。始めは起こるかもしれない、でも、最後には許してくれるのが"母親"なのだと。対照的に、最後まで叱り許さないのが"父親"なのだとも言います。初めて聞いた定義ですが、どちらも愛ゆえに、と言い切るシドの姿を見ていると、なかなか惹かれる定義だなぁと思うのです。
空からの雪が奇跡を起こす
息子を想い、やさしさから旅を続ける父。 雪が降るのを、誰よりも待ち続ける少年。 少年のそばにいつもいる不思議なおばけ。 『ミラクル』は、真っ白な雪のように澄んだ少年の心に癒される、何度でも読み返したく物語だ。
ミラクル
小さい頃の純粋な心、キラキラ感、大人になるにつれてその心は忘れてしまい、思いやりのない大人になっていく・・・・・。 輝いていた頃の自分を思い出したい大人に是非お勧めします。飾り気ない文章と言葉がストレートに読む方に伝わってくるため、優しい気持ちになれます。 [内容] 主人公のアルがクリスマスの夜に遭遇した奇跡、すなわちミラクルなストーリー。そして、アルは大人へと成長していく・・・・・。 クリスマスに子どもに読んであげましょう。
追い求める純粋
難しい文章を書き連ねる事だけが作家じゃないんだなぁ、
と考えさせられた。
人は誰でも文体に癖があると思うんだけど、彼は本当に書き分けの上手な作家さんだと思う。

小学校の課題図書になるような、やさしい文章。
それでいてココロを掴んでしまう。
ありがちな淋しい話に終わらせない。

挿絵も想像を掻き立てる素敵なイラストです。
心がほんわりと優しくなれそうな気がします。


白仏 (文春文庫)

[ 文庫 ]
白仏 (文春文庫)

・辻 仁成
【文藝春秋】
発売日: 2000-08
参考価格: 480 円(税込)
販売価格: 480 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
白仏 (文春文庫)
辻 仁成
カスタマー平均評価:  4.5
スケールの大きな大河ドラマ
辻の祖父をモデルにした鉄砲屋江口稔の物語。 生と死、輪廻や魂など仏教的な世界観が背景にある。 宮本輝の『流転の海』の松坂熊吾に肩を並べる程の魅力にあふれた人物である。 ストーリーのダイナミックさも素晴らしいが印象的な美しいシーンが多い。 対立する村の少女(後に稔の妻になる)に稔の友人が放尿するシーンや 水死して腐敗し始めている死体に触れるシーンには軽いショックを受けた。 長じて出征し、雪の中でロシア兵と戦い殺すシーンの緊迫感のある描写も素晴らしい。 村上龍の描く戦闘シーンの描写にも負けないほどだ。 夢に現れる白い仏を現実のものとして、島民の骨を集めて作るという発想も凡人ではないことの証明である。 激動の時代を自身の才覚で切り抜け、疾走する彼には同じ男性としてあこがれを抱いてしまう。 デビュー作から辻の作品を読んでいるが、こんなにも力のある書き手だとは思わなかった。 フランスのフェミナ文学賞の外国小説部門の賞を受けたのにも、うなずける傑作だ。 この作品を読めば、元ロッカーでおしゃれな流行作家という彼の一般的なイメージを塗り替えられることになるだろう。
生と死を考える傑作
生と死の際立った対比。戦争での「殺人」意識から常につきまとう死と生。 祖父の一生を辿った作品。 子供時代から大人、そして死ぬまで。臨終がプロローグに来ていることが、 また一つ、生と死の対比を描いている。 それが一番鮮やかなのが、戦争帰国と結婚後の出産だ。 人間の儚い死を嘆いていた主人公にとって、生が生まれる瞬間を実感として味わったのが自分の子供だった。 こうして生と死が繰り返されていくのが人間の人生だということに気づくのだ。 子供時代に登場するユニークな仲間たちを辿りながら、死していく人々の想いを胸に秘めながら、 彼が最後に出した結論が、みんなの骨で一つの仏を作るという試みだった。 祖父をモデルとして取材を綿密に行っているからこそ、多少の創作はあるにせよ、 ここまで生き生きとした人生を描けたのだろう。 生と死がテーマとはいえ、ストーリーに重苦しさはなく、むしろおもしろく読み進める作品ではないか。
自然と涙が溢れた、心地いい読後感。
登場人物の言葉が、嫌味なく心に沁みた。 心の葛藤とそれに対する答が次々に提示される小説は、時に読者には押し付けがましく思えたり、 空々しさや、物語る方向性を無理やりに示唆する強引さが感じられることがある。 しかし本作では、主人公稔の心の動きに自然と寄り添うことが出来る。 それはきっと、稔の抱く疑問や見出そうとする答が、誰しも一度は考えた経験のある事柄だからだろう。 人はなぜ生まれ、そして死して何処へかいかん・・・ということ。 そしてもう一つは、稔の生き方にあるべき人としての姿を見て取れるからではないだろうか。 決して長くはない単行本290ページで、長い時間を描き心象描写は拡がりをみせ、 それは無抵抗になった読者の心と一体になる。 稔の心が辿ってみせた筋道に寄り添いながら読み進み、小説の終焉と共にその筋道は稔だけの ものとなり、私は私だけの筋道を見出したいと思わされた。 そんな読後感だ。とても穏やかで心地よい。 なお、稔は辻さんのお祖父様がモデルだとのこと。 とても丁寧な文体で大切に書いたのだろうことが窺える。
生とは何か、死とは何かを考えさせられる本
著者辻氏の母方の祖父「鉄砲屋今村豊」をモデルとした創作。 主人公の鉄砲屋稔が、兄や思いを寄せていた女性、友人、息子などとの死別、自身の戦争体験などを通じて、生とは何か、死とは何かを見つめ続けながら生きていく。 重い内容であるが、九州弁を使った辻氏のテンポの良い文章が読者に暗さを伝えない。 正直、辻氏がこれほどの本を書くことができると思っていなかったので、驚きと感銘を受けた。文句なしの5つ星である。 なお、本の題名の「白仏」は、福岡県大川市大野島「勝楽寺」の納骨堂に実在するそうである。機会があれば、訪れてみたいと思う。
自身の死生観を考えるきっかけになった
この作品は、晩年に島民の骨で「白仏」を作り上げた、著者の祖父をモデルにして描かれたものである。 祖父の人生を描き切ることで自分の起原を知りたかったという、あとがきに記された執筆の動機からはパーソナルな作品とも受け取れるが、連綿と続く命の連鎖の意義を求めようとするような、大きな主題を持った作品だと思う。 事業家だった自分の盛衰、周りの人々との出会いと別れの末ににたどり着いた死生観を具現化させたものが白仏であるなら、少なからず主題の問いの答えはそこに結実しているといえる。 なお、この作品はフランスでも翻訳出版され、女性だけの審査員によって選定されるフェミナ・エトランジェ賞を受賞している。

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