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[ 文庫 ]
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髑髏の結社・SSの歴史〈下〉 (講談社学術文庫)
・ハインツ ヘーネ
【講談社】
発売日: 2001-08
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,279円〜
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・ハインツ ヘーネ ・Heinz H¨ohne
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カスタマー平均評価: 2.5
親衛隊神話の解剖 非常によくまとめられている面白い本。
ナチス幹部などに対する予備知識が無ければわかりにくい部分もあるが、それを差し引いても一読の価値はあると思う。しかしながら、割合されてしまった部分があるのは非常に残念だ。 学術文庫が聞いて呆れる 本書の価値に関しては、定番とも言える存在であり、好みの問題は別として決して無視することの出来ない/すべきではない書物である。だがしかし、これは私は常々腹に据えかねているのであるが、本書下巻の495頁には次の様な呆れ果てた断り書きがある。「なお、本書の原本は一九八一年にフジ出版社から刊行された。同書の巻末には『引用資料一覧』『関連年表』『索引』が付されていたが、学術文庫版では割愛したことをおことわりしておく」とある。文章自体は、訳者である森亮一によるものであるが、森氏がそのことを望んだわけではあるまい。 講談社学術文庫は非常に奇妙なシリーズであり、世界の名著/基礎文献が含まれる一方において、いわゆる「トンデモ本」の類が肩を並べているのが現実である。トンデモ本を掴まされるのは、買い手の責任かもしれないが、本書のような『引用資料一覧』と『索引』の割愛という名の削除=手抜きは許し難い。なぜならば、この手抜きにより、本書は学術文献として極めて問題のある形にされてしまったからである。『引用資料一覧』と『索引』は、決して割愛などされるべきではない。そして、それらが削除された時、書物ははなはだしくその価値を失うことを編集者は認識してしかるべきである。私が主張していることが理解できないのであれば、その編集者は「学術文庫」の編集者としては不適任であると言わざるを得ない。 私は、本書を注文して手にし、極めて落胆した。猛省を促したい次第である!!
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[ 文庫 ]
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日本の歴史〈別巻〉対談・総索引 (中公文庫)
【中央公論新社】
発売日: 2007-01
参考価格: 1,500 円(税込)
販売価格: 1,500 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,277円〜
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カスタマー平均評価: 5
この巻のみで充分。 1960年代の、旧中央公論社は次々とシリーズもの企画をヒットさせていた。
その代表格であり、大いに版元を潤した決定版ともいうべき日本史シリーズ全26巻が、
なぜか40年も経った2004年から突如毎月、新装の上「改版」として昨年末まで刊行された。
本巻はその27冊目で、かつては存在しかなった「別巻」である。
実は1970代から80年代に、すでにこの1960年代の単行本を親本とする文庫化が
同社からなされており、近年まで店頭で入手できたと思う。当方の世代は学生時代、
この旧・文庫版で親しくこのシリーズに接し、日本史の醍醐味を味わっている。
ただし、旧・文庫版には、親本に付録として投げ込まれていた該当巻の著者と
ゲストとの対談が、当然のごとく割愛されていた。旧・文庫で読んだ巻であっても、
古本屋などで親本を見つけると、この対談読みたさに数冊買ってしまったこともある。
本書はそうした過去の対談26本(26冊分)を1冊にして、26冊の総索引を兼ねるもの。
改めて、堅牢な執筆者陣と、豪華な対談者群像にため息が出る。
前半の古代の巻だけ挙げても、
1)神話から歴史へ/井上光貞×丸山真男
2)古代国家の成立/直木孝次郎×司馬遼太郎
3)奈良の都/青木和夫×土門拳
4)平安京/北山茂夫×桑原武夫
5)王朝の貴族/土田直鎮×瀬戸内晴美
という組み合わせである。
正直のところ、2004年から2006年までに刊行された「新・文庫シリーズ」自体には、
食指が動かない。古びたとはいえ、ほとんどの巻を旧・文庫版で所有している上に、
店頭でこれら「新・文庫」を一瞥しても、今の学問的知見が、例えば「補注」のような形で
盛り込む工夫が、全然なされていないことに落胆したからだ。
巻末に「解説」として、現役の各時代の専門家が文章を寄せているものの、玉石混交甚だしく、
如何にかつての執筆者の布陣が(当時にあって)的確であったかを、思い知らせるだけである。
購読をためらっている方は、まず本書「のみ」を買うことをお勧めする。
(「対談」の質の高さは、近年の対談本とは雲泥の差。興奮させられる)
その上で、どうしても興味のある時代があれば、新・文庫の任意の巻を求めれば良いと思う。
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[ 新書 ]
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近代ギリシア史 (文庫クセジュ)
・ニコス スボロノス
【白水社】
発売日: 1988-07
参考価格: 897 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,275円〜
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・ニコス スボロノス
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カスタマー平均評価: 5
語られた歴史として 1821年3月25日、ギリシャは独立へ向かって、突然、立ち上がった。 そんな印象の濃い、他の本とは違い、土地に根ざした話として、語られた歴史、といった本。 薄い割には内容が濃く、読み応えがある。 historyの語源になった、istoriaの項目を辞書で引けば、物語、歴史、語り、などの言葉が出てくる。 歴史とは、まさしく、語られるものであり、経験でもある。 ギリシャ人が、どのような歴史認識を持っているか、数少ない、その国に住む人が語った、貴重な本である。 他ではない、文化と歴史的背景に関しても書いてあり、カザンザキスや、カヴァフィスにも言及している。
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[ 新書 ]
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ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)
・田中 克彦
【岩波書店】
発売日: 2009-06
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 1,255円〜
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・田中 克彦
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カスタマー平均評価: 5
ノモンハン事件の実相 これまて戦記等ではよく語られてきたが、冷戦のさなかにあって資料的制約が大きく、実態に謎の多かったノモンハン戦争を、いまでこそ可能になった環境や資料にもとづいて明らかにした一冊。
特に現地の満州やモンゴルの実体験や調査に基づいているので、当時の現地の人々の感覚や見方がわかるのがとても新鮮である。当時の関東軍やソ連、そしてモンゴルの人々の思惑や利害がビビッドによみがえり、一般的な「ノモンハン事件」の理解や観念を塗り替えるものであるといえる。
純粋に軍事的なことは論じられていない(戦果、被害、勝敗の判定など)。またモンゴル学者らしく、モンゴルの文化・歴史・言語に関するトリビアが本書に深みと人間味を与えてくれる。
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[ 新書 ]
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日本史年表・年号ハンドブック
【同成社】
発売日: 2008-10
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
( 在庫あり。 )
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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吉野朝時代史通論 (1941年) (ラヂオ新書)
・中村 直勝
【日本放送出版協会】
発売日: 1941
参考価格: オープン価格
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,260円〜
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・中村 直勝
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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王権誕生 日本の歴史02 (講談社学術文庫)
・寺沢 薫
【講談社】
発売日: 2008-12-10
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・寺沢 薫
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カスタマー平均評価: 5
モノは雄弁にかたる。そんなニッポンの古代史 文献史学や民俗学を判断の補助としつつ、考古学的物証に軸足をおき、合理的に日本の古代の風景を描き出す。
学術文庫なので、『難しい内容なのだろうな』と思いつつ購入したのですが、いい意味で期待を裏切られうれしい限りです。
著者の説明は、非常に丁寧で、私のような素人にもわかりやすく、図版や地図などの資料も豊富で、親切です。
取り扱う時代は縄文の末期から古墳時代の初期なのですが、メインは弥生時代になります。
まず、稲作や環壕と環濠を主軸に、縄文から弥生への移行を、東アジア規模のスケールで推理します。
次に、弥生時代です。
後の時代に奴国や伊都国と呼ばれる地域(とその周辺)を、畿内、出雲(山陰)、吉備(瀬戸内)との比較を交えつつ、ほぼ考古学的物証のみで、非常に繊細かつ大胆に描き出します。
これがまたすごい、時代ごとの状況が、定点観測的に、非常に克明に描き出されていて、目に浮かぶようです。
天気のよい休日には、ぶらりと遺跡探索に出かけたくなる気分になりました。
福岡市と糸島半島(とその周辺)に土地勘がない人が、置いてけぼりにならない様に、遺跡の分布状況を記した地図などもあるので、親切です。
銅矛、銅鐸、銅剣といった祭具の出土具合から、民俗学の助けをかりつつ、あくまで考古学的な見地から、各地域(主に筑紫、出雲、吉備、畿内)のマツリとマツリゴトについて、大胆に推論しています。
そこにイデオロギー的偏りはなく、あくまて客観的推論です。
なにかと話題になることもある、倭国大乱についても、考古学的に解明してくれます。
高地性集落の役割が北九州のそれとそれ以東では違う点を指摘した上で、3段階の時代区分を与え、大乱の実像にせまります。
また、北九州でしか見つからない受傷人骨に関しても、なるほどと納得させられました。
感情的な議論になりがちな邪馬台国ですが、現時点の考古学の成果から、ヤマト説をとっています。
しかし、『畿内優越主義』とは、やんわりと決別し、考古学的見地から、もっと緩やかな部族的国家連合ではなかったのか、と推論しています。
また、九州説など、畿内説以外を否定もしていません。
その上で、古墳時代の姿を、駆け足ながら、畿内のみに固執することなく広範な地域について、描き出しています。
考古学的物証をもとに、かつ合理的に推論されているので非常に説得力があります。
また、考古学からは、なかなか判断出来ない場合、素直に『判りません』というか、『大胆な推論ですが』などの断り書きをいれて推論する著者の正直さ、いさぎよさも好感がもてます。 ダイナミックにして明瞭な王権誕生への歴史 弥生文化が伝来・成立してから日本列島の「文明化」は加速度的に進む。生産力は増大し、社会の階層化が進み、ムラ同士の抗争を経てクニが形成されていく。おもに考古学の知見と中国の文献によってそのストーリーを明確に示していく。
一昔の教科書的な「常識」はバッサバッサと切り捨てられ、最新の知見が次々と提示され、驚く人もあるかもしれない。
そして誰も気になる邪馬台国問題であるが、純粋に考古学に立脚して邪馬台国像が提出されている。現時点(2000及び2008年)での考古学の知見では妥当なところであろうが、今後の発掘・研究の進展に注意が必要なのはもちろんである。
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[ 文庫 ]
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江戸の食生活 (岩波現代文庫)
・原田 信男
【岩波書店】
発売日: 2009-02
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・原田 信男
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カスタマー平均評価: 3
江戸時代の人も、肉食をしていたらしい 江戸時代の江戸の町は、独身男性が1/3ほどいたらしい。
そのため、江戸の町では外食産業が発達したのだという事を聞いたことがある。
この不均衡な人口分布がなければ、ぼくたちは天ぷらや寿司を味わうことはできなかったのかもしれない。
この「江戸の食生活」によれば、江戸時代の人も、肉食をしていたらしい。
それも現代よりずっと多様な肉食を!
などといった、実に多彩な、将軍様の食事から、庶民が食べる煮売り屋の話まで。
おもしろい、決して興味本位に、面白さ優先の本ではないのだけれど、真面目な学者さんの研究成果に違いないのだけれど、
歴史を学ぼうとする人だけでなく、単なるグルメ本に飽きた人をも満足させる、食をテーマにした本だ。
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[ 新書 ]
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青年・松浦武四郎の四国遍路-宇和島伊達藩領内の見聞- (風ブックス 19)
・木下 博民
【創風社出版】
発売日: 2008-10-01
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・木下 博民
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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甲斐の歴史をよみ直す―開かれた山国 (山日ライブラリー)
・網野 善彦
【山梨日日新聞社】
発売日: 2008-10
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・網野 善彦
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カスタマー平均評価: 5
閉ざされていなかった山国の生き生きとした歴史と生活 網野善彦 山梨県御坂町生まれ (1928-2004)
1998年に山梨日々新聞に連載されたものを中心に書かれている。
山梨が生んだ偉大な歴史家である網野さんが、まさに網野史学から導かれる生き生きとした人々の知られていなかった一面を描きだしています。
網野さんが尊敬する宮本常一すらミスリードした「百姓」の本当の姿を山人や漁民の生活を描きだすことにより我々に教えてくれます。
そして山に閉ざされたと考えがちな山梨や他の山間部地域の人々が実は日本全国と繋がりを持ち、経済や文化面でも交流があった事を古文書等の綿密な研究により明らかにします。
また養蚕と女性の係わりなども網野史学からの重要な指摘でしょう。
是非とも山梨県民の皆さんには読んでいただきたい一冊です。
そして網野史学で見えてくる日本の歴史を宮本民俗学と共に味わってみてはいかがでしょうか。
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