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[ 文庫 ]
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望郷と海 (ちくま学芸文庫)
・石原 吉郎
【筑摩書房】
発売日: 1997-08
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,980円〜
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・石原 吉郎
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カスタマー平均評価: 5
石原吉郎の時代を超えた眼差し このような文章で、戦争を、戦争における極限状態での人間を記録した人を僕は他に知らない。 この本に収録されている名文「ペシミストの勇気について」の中で、石原は強制収容所における生活を自己の生存のための行為を含めて「被害者」の立場から眺め書くだけでなく、「被害と加害が同在するという現実」に位置づけて書いている。 そして、全ての望みを失い、ペシミストになることで保てた、ペシミストの明晰な目を持つ事で保てた友人鹿野の人間性に、石原は光を見出す。告発が告発であることが不毛となり沈黙(空席)の中でしか告発できない状況下にあってペシミストになることで示した人間の尊厳の価値を、石原は極限状態にありながらも見逃さない。 彼の痛烈な精神に圧倒されながらも、「被害者の中から人間は生まれない。加害者がその意識を自己に向けた時に人間は生まれる」という彼の祈りに近い言葉を、現代にあてはめて考えてみる(あえて国は限定しない)。 すると、現代の社会構造(世界構造)が人間の自立を保障せずに「被害者意識」という残酷なものの中に差別などで人を閉じ込め、また、その構造に加担しながらもそれを意識せずに生きている人が自分を含めて多いことに気付かされる。こうして石原が戦争体験の中で見つめた人間というものは、現代にも生き続けているのである。 だから、この本は「かつての戦争(この戦争もまだ終わっていない)」における人間の記録としてだけでなく、時代を超えた人間への眼差しで我々に訴えかけてくるところにも価値を内在させているのだ。 そして、歴史の一部分を生きる者として石原の人間への眼差しを見つめ直さなければならないと、僕は思う。
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[ 文庫 ]
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細川幽斎 (講談社学術文庫)
・桑田 忠親
【講談社】
発売日: 1996-09
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,980円〜
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・桑田 忠親
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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近世日本国民史 徳川幕府 (思想篇) (講談社学術文庫 (590))
・徳富 蘇峰 ・平泉 澄
【講談社】
発売日: 1983-02
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,975円〜
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・徳富 蘇峰 ・平泉 澄
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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ひろしま城と古戦場 (1985年) (ひろしま文庫〈6〉)
・村上 正名
【広学図書】
発売日: 1985-05
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,971円〜
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・村上 正名
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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マリー・アントワネット (上) (角川文庫―名著コレクション)
・ツヴァイク
【角川書店】
発売日: 1984-07
参考価格: 479 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,969円〜
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・ツヴァイク
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カスタマー平均評価: 5
アントワネットへの深い愛情に満ちた良書 ベルサイユのばらでおなじみマリー・アントワネットの伝記です。何度読み返しても、アントワネットの怒涛の生涯に圧倒されます。遠藤周一氏も小説を発表されたり、さまざまな作家さんが取り上げていますが、やはりこの本がダントツでお奨めです。その視点は歴史家として突き放したものではなく、アントワネットに対する偏見を膨大な資料をもとにひとつひとつ反証し、真実の彼女の姿を深い同情でもって浮かび上がらせています。時代背景がわからないと辛い部分もありますが、ベルばらをご存知の方なら問題ないでしょう。なにより出色なのは、革命勃発後から断頭台に消えるまでのアントワネットの変化です。地位を失くしてはじめて真の女王となる皮肉。フェルゼンとの悲劇的かつ運命的な恋愛を絡めて、ともかく普通の伝記とは一線を画す名作です。 女王として生きるか、一人の女性として生きるか。 マリー・アントワネットの生涯を題材にした書籍はたくさんある。まず、読み続けていくうちに読者は彼女自身に問い掛けたくなるだろう。『女王として生きるか、一人の女性として生きるか、それが人生を大きく左右した要因では?』黄泉の世界があるのなら、一度でいい、話をしてみたい。
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[ 文庫 ]
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東北の城 (探訪ブックス 日本の城)
【小学館】
発売日: 1989-09
参考価格: 816 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,960円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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中華中毒―中国的空間の解剖学 (ちくま学芸文庫)
・村松 伸
【筑摩書房】
発売日: 2003-06
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,956円〜
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・村松 伸
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カスタマー平均評価: 5
内包された野蛮 ウォン・カーウェイの映画を引き合いにだして「香港の速度」を語る序盤からしてノリがいい。一八四一年、アヘン戦争の最中、イギリス人たちによって分譲された香港島。それが、交易拠点として活動しはじめ、時代が下るにつれ、台頭してきた中国系の商人たちに押し出され、西洋人の居住区が都市の端ほうへと端のほうへと追いやられ、ついにはほとんど駆逐されてしまう様子を、何年か前に九龍城砦の一室にたまたま寝泊まりした体験とともに手際よく記述していく。 続いて書かれるのは、紫禁城的洛可可(=ロココ、と、読むらしい)世界であったり、毛沢東の寝室の話題だったり、道教的な世界観から視や盆栽や奇岩についての考察であったり、「ゴジラが中国に上陸したとしたらどういうルートをたどるのか?」というシミュレーションを、1966年、1977年、1985年の三通りに分けて考えてみたり、「模倣される存在」としての紫禁城、それは中国的建築であると同時に、「中華思想」の影響がどのように受容されているのか/いないのか、というバロメータにもなるわけだが、ベトナムのフエや李氏朝鮮のソウル、沖縄の首里などの例に対して子細に検討を加えていく。検討を加えた上で、その章の最後に、「中華」の中心に位置する筈の清朝の皇帝が、実は同時に「夷(=遊牧民)」の諸族を従える大カーンであることを活写する。それも、本場よりもずっと硬直した朱子学の信徒である朝鮮の使節団が、清朝の避暑地である熱河での胡虜の饗宴の中心にいる皇帝を目撃する様を活写するととによって……。 「建築」とその建物を巡る空間を見つめ、それについて考察することによって、大まかに分けても「儒教/道教」の二つの基本原理の潮流を、その場その場で都合良く使い分ける包容力とバイタリティをもつ「中華」という文化体系について様々な角度から検証していく、ちょっと他に類例がない書物でした。
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[ 文庫 ]
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カラカウア王のニッポン仰天旅行記 (小学館文庫)
・カラカウア
【小学館】
発売日: 2000-06
参考価格: 710 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,950円〜
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・カラカウア
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カスタマー平均評価: 5
愉快な旅行記 この旅行記はとても愉快で、良質なコメディー映画を観ている感覚。 ハワイの大変陽気(いや、能天気)な王様が、数人の随員を引き連れて世界一周をするのだが、その先々で思わぬ珍事件が起こりそのたびにオロオロと動揺する姿は、つい口元がつい緩んでしまう。それに、王様の随員も個性派揃いで、話をよりいっそう盛り上げてくれる。随員としてこの旅行に同行した著者は人一倍皮肉屋であり、旅先での王様の能天気ぶりを辛口で批判して、これまた笑わせてくれる。
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[ 文庫 ]
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日本の戦史 日清戦争 (徳間文庫)
【徳間書店】
発売日: 1995-08
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,925円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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川中島古戦場の旅 (1969年) (サンデー新書)
・桑田 忠親
【秋田書店】
発売日: 1969
参考価格: 368 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,900円〜
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・桑田 忠親
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カスタマー平均評価: 0
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