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[ 新書 ]
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ヘラクレイトスの火―自然科学者の回想的文明批判 (同時代ライブラリー)
・E. シャルガフ
【岩波書店】
発売日: 1990-10
参考価格: 1,070 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,900円〜
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・E. シャルガフ
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カスタマー平均評価: 5
現代科学への批判。 高校の生物最後の授業で配られたプリントはこの「ヘラクレイトスの火」の一節「白き血、紅き雪」であった。ワトソン、クリックのようにノーベル賞を取るよりも、つまり世間的な名誉よりも、むしろこのシャルガフのような文章が書ける人間になって欲しい、と先生が話していた。ノーベル賞なんか取れないし、こんな難解な文章なんて書けるわけもない、と笑い声が上がった。その後分子生物学を学ぶようになって塩基対合の規則を発見したシャルガフ、そしてDNA二重らせんを発見したワトソン、クリックが分子生物学の中でどんな位置を占めたのかを少しは知るようになってから「ヘラクレイトスの火」全文を読んた。 決して一朝一夕には身に付けることのできない語学に裏打ちされた教養に畏敬の念を覚える他なかった。そしてまた、高校生のときに読んだ「白き血、紅い雪」でも触れられているように、最早「自然についてよりよく知りたいから」と、「科学」本来の目的であった「知ること」のために科学を志すことはできないのだと改めて実感した。 生命科学は今金儲けの手段に利用されているように感じる。科学は技術と最早不可分に結びついており、人間の福利厚生のために役立つのならそれにこしたことはないと思うが、幾分いそぎすぎているのではないだろうか。多くの人に読んでほしい本だ。
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[ 文庫 ]
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日本国憲法誕生記―シリーズ戦後史の証言・占領と講和〈4〉 (中公文庫)
・佐藤 達夫
【中央公論新社】
発売日: 1999-04
参考価格: 760 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,898円〜
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・佐藤 達夫
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カスタマー平均評価: 4
読み物としても推薦 興味の無い人にもオススメしたい一冊。(啓蒙的な意味ではなく) 本書は、日本の側で憲法制定過程に関わった佐藤達夫氏による詳細な回想録であり日本国憲法の成立過程がいかに特殊――というより、ハチャメチャという他ない状況下の中で行われたかを詳細に綴っている。文体も極めて読みやすく、読みながら「おいコラ、それマジか!」とツッこみを入れられずにはいられないような驚愕の事実が次々と記される。 戦後日本史の重要資料としてのみならず、純粋に読み物として破天荒に面白い。いや、本当に、政治とかにまったく興味のなさそうなオネーチャン相手のネタとしても通じるぐらいの内容で、まさしく「事実は小説より奇なり」を地でいっている。 ただし、憲法制定過程をもっと包括的に知りたいという人には、本書と併せて、西修『日本国憲法はこうして生まれた』などを読んでみることをおすすめする。本書はあくまで、日本の法制局の当事者からの記録であるため、野党や民間の憲法案に対する記述や、極東委員会、そして何よりもGHQ民生局の動きに関する記述が極めて少ない。そちらも読むと、より楽しめるだろう。 先人は偉かったと言うべきか 実際に日本国憲法制定に携わった,法制局部長でもある筆者による回想録. 現行憲法成立過程を扱った書は数あれど,現場に携わった者の観点からの記録であるという点で,本書の重要性が分かるだろう.戦後日本史最重要資料の一つと言える. 憲法成立過程の概要を知るための読み物として考えても,類書と比較して,筆者の文体は,いい意味で堅苦しいところがなく,非常に読みやすい. 一読して思うのは,本書の後書きにもあるように,現行憲法制定過程が,いかに異常な状況であったか,ということである.その「異常な状況」を肯定するか否定するかは,読者個々人の評価の問題だろう.後世の評価を待ちたい. 個人的には,肯定するにしろ否定するにしろ,極限状況にも関わらず奮闘した先人の苦労には,思!!いを致すべきであると思う.
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[ 文庫 ]
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哈爾浜(はるぴん)の都市計画 (ちくま学芸文庫)
・越沢 明
【筑摩書房】
発売日: 2004-06-10
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,855円〜
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・越沢 明
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カスタマー平均評価: 5
ハルピンの「都市史」 都市計画研究者である著者の描く、北満の都市ハルピンがロシアによって形成され、経営され、中華民国東三省による利権回収運動を経て、満洲国の版図となり、新たな都市計画・都市形成を経て終戦を迎えるまでの「都市の歴史」書。同じ著者の「満洲国の首都計画」と比べると、本書の主人公はハルピンという都市であって、その都市のあり方にロシアや中国や日本がどのように関わったのかという側面の詳細が豊富な図表や写真、条文を駆使して解説される。
何しろ記述が具体的なのが、読んでいて面白い。一般的に政策というものをどんな風に作成し、財源を確保し、関係各所との連絡を取り、順に実行していくのかという過程が明確に述べられているので、行政の仕事を理解するケーススタディとしても読める内容だと思う。
また、ロシアが実現した建築物の様式の分析も読んでいて面白く、ロシアにとっての辺境の地であるからこそ全体の様式の基調にアール・ヌーヴォーを採用できたというくだりなどは特に興味深い。
そして歴史的な観点から見てみると、戦後の日本の都市計画では土地問題、地主層の反対で実現できなかった包括的な用地取得と開発利益の還元がハルピンでは採用されていたこと、都市計画の策定の際に特殊利権を設定しようとした勢力をトップのリーダーシップで排除したことなど、今の視点からも先進性を示す点がいくつもある。現在の全国一律の都市計画の景観は、どこに住んでいてもそこがどこなのかわからなくなるほどののっぺらぼうな姿をさらしていて、そんな現在から見ればハルピンの写真の数々は、とても魅力的に映る。
今いる場所の景観を考える際の参考になると思う一冊。
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[ 文庫 ]
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ルネサンス精神の深層 (ちくま学芸文庫)
・アンドレ シャステル
【筑摩書房】
発売日: 2002-12
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,850円〜
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・アンドレ シャステル ・Andr´e Chastel
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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占領史録〈2〉停戦と外交権停止 (講談社学術文庫)
【講談社】
発売日: 1989-08
参考価格: 918 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,800円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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新訂 江戸名所花暦 (ちくま学芸文庫)
・市古 夏生 ・鈴木 健一
【筑摩書房】
発売日: 2001-04
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,799円〜
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・市古 夏生 ・鈴木 健一
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カスタマー平均評価: 4
もののあはれ 文政十年(1827年)に刊行されたガイドブック。 江戸の花見の名所が、春夏秋冬、花の種類ごとに記されている。
面白いのは、桜をはじめとする花の名所がメインなのだが、それだけでなく、鶯や蛍、納涼、月、虫、雪などまさに「花鳥風月」の名所をも紹介しているところ。
読んで気づいた点は、紹介される名所は圧倒的に寺社仏閣が多く、大名屋敷とそれに付属する庭園、たとえば小石川後楽園、六義園等は全く出てこない。当然ながら、一般には開放されていなかったことがわかる。
それにしても、昔の人は貴人から庶民まで風雅を解する心を持っていたのがわかる。文化程度というか、文化水準は今よりずっと高かったと言えるのではないだろうか。
それと、この手の本を読むといろいろと薀蓄が得られるのが一興。たとえば、日暮里。昔はこの辺りは「新堀」(にいほり)と読んでいたものを、眺望が佳く、日が暮れるまで眺めても飽きがこないことから「日暮(の里)」(ひぐらし(のさと))と呼ばれるようになり、後に「日暮里」の字が当てられたようである。地元の人にとっては周知かもしれないが。
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[ 文庫 ]
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失われた九州王朝 (1979年) (角川文庫)
・古田 武彦
【角川書店】
発売日: 1979-03
参考価格: 515 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,798円〜
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・古田 武彦
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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倭館―鎖国時代の日本人町 (文春新書)
・田代 和生
【文藝春秋】
発売日: 2002-10
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,756円〜
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・田代 和生
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カスタマー平均評価: 4.5
『鎖国時代の日本人町』とはよく考えられた副題だ aR¶a...?a?Re?-a??a"?c--a?Ra--e!?a?≪a??a?£a?|a??a?≪a??a?¬a?≪a?a?1a??a??a?3a?aa?ca?Ra?≪a??a?aa??a? ̄e≪,a??a?¨a?Re?ao?a? ̄e"cμ¶a??a?a??a?...a?Ra?-a?aa?・a??a?3a? ̄a??a?-e??a"?a??a??a?§a?Ra ̄?e±!a?≪a?aa?£a??a?a?-a?-a??a?1a??a?3a??e≪,a??a?§a??a??a?Ra?aa?1a?¨a?aa?ca?3a?a??a-\a?¬a?¨a?Re?a??a?§a'?e?£a?'ao?a?£a??a?a??a?-a?|cμ?a±a?aa?ca?3a?a??a??a?ca?-a?e?・a'?a?≪e??e?-e?aooa?¨a"?aooa?'a??aR1a??a??a?a?oa3¶a?a??a??a??a??a??e¨3a?§a??a??a?a?"a??a? ̄a?¬a?"a? ̄a?e?-a??a"?c--a?a?§a? ̄a?aa??a?|a?c??c??a?'e??a??a??a??a3¶a'\aR¶a?Re-ca'ce-ca≫\a?-a?Re≪,a?§a??a??a??c?¬e?aa?Re?a??a¨ca?'a?\a\aa?-a?a?-ao?a?'a...¨a?|a1?ao?a??c?¬a??a??a??a"?c--a??a?£a??a??a??a?≪a?a??a??a?a??a?"a?aa?aa??a?§a?a?oa3¶a?a?Ra??a??a?≪a-\a?¬a??a?...a?≪a?-a??aooa?'e?"e?¢a??a??a?Ra?§a? ̄a?aa??a?c?,a??a?Ra??a?≪a?oa...?ac?e-¢a?'a??a??a?a??a?"a?§e?a??a?≪e-¢a??a??aR?a??a?'e!?a??a...?ao|a?'a?-a?£a??a?Ra??a?a?"a??a" ̄a,a-£a??a?Ra??ao?a?'a¨1c≪?a?-a??e?£a??a??eRRa?§a??a??a?a?e?-a??a??a≫£a?a1?ao?a...¬ea?a?Ra ̄?e|¬e-ca?Ra?oa!...?ac?e-¢a??a??eRRa??a3¶a?≪a??a??a??a?a±?a?,a??a,e2≪a?-a?|a?°c??aooa??a?Ra-\a?¬aooa??a,,e§?a?a??a?Ra??a?Raooa??a?!a?¨ao?aμ?a?-a?|a??a??a?Ra? ̄ec?a??a?§a??a??a?a??a??a?¨a?|a??e??a'3a・±a??a?a??a??a?≪a?a-\a?¬aooc"oa?a?§a??a??a?a??a??a?-a?aa?1a??a??a?≪e-¢a??a?Ra?aa??a?aa?ca?3a?ea?a?Ra?¬a?'e§£c|?a?-a?e\?a¬§e≪,a??a?Ra-?a?-a?≫a-?a??a?≪e??a'3a?'c?oa?-a??a...≪a≫£a°?e≫?a??aR-a??a?e?aa??a?Ra?¢a-1a??a??a?¢a??a??a??a?|a?a??eRRa?Ra?≫a-|a?≪a・±a??e-¢a??a?'a ̄?a??a?ea?a?≫a?£a??a?§a'?e?£a??a??a??a?¨a??a??a?Ra??a?a?"a?Ra?e-?a??a??a,≫a?a?Ra??a?Ra・±a??a?'a??a??a??a??a??a?|a??a??a??a? a±?a?,a??a≫£a??a?Ra-\a?¬a?¨a??eRRa?Rao?aμ?a?RaR?a...?a?Rc??c?\a?≪a ̄?a,?a??a??a\?e'-a??a?¨a?a??a? 日本は本当に鎖国していたのか? 学生時代、私たちが学んだ江戸時代は、対外窓口を長崎だけに絞り、鎖国していた。しかし日本は決してそういう形で鎖国したわけではないことがわかってきた。窓口は琉球にも、そしてこの書が採り上げている対馬にもあったのだ。 日本では生産できない生糸や朝鮮人参が輸入不可となることを幕府は恐れていた。そのため対馬藩に朝鮮との交流ルートを作らせ、便宜を図っていたのだ。対馬藩は倭館と呼ばれた一種の出島を朝鮮に作り、私貿易を行い莫大な利益を手にしていた。 国内の銀枯渇により流通銀貨の質を下げざるを得なくなっても、幕府はなんと品質の良い貿易用銀貨を特鋳、朝鮮貿易のパイプを維持しようとした。そんな歴史の真実が垣間見える書である。
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[ 文庫 ]
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プラトンの学園 アカデメイア (講談社学術文庫)
・広川 洋一
【講談社】
発売日: 1999-01
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,770円〜
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・広川 洋一
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カスタマー平均評価: 5
教育の本質とは、国家=共同体を担える人材を創出することにある。 本著は、プラトンの学園アカデメイアの盛衰をその創始から終焉まで、これを大観覧した名著である。プラトンがいかなる理念のもと、本学を建設したのか、どのような教育研究施設と規模を有していたのか、その教育法と学問とはいかなるものであったか、そしてどのような紆余曲折を経て、終には九百余年にも渡るその歴史に終止符をうつことになったのか。著者はそれらを巧み見事に詳説している。一方で、一つの物語としての統一性をも失することなく、熱く描き出している。“国家(ポリス)は、哲人たる為政者によって運営されなければならない”。この哲学と政治の一体化=哲人王政治こそが、彼著『国家』にあるように、プラトンが理想とした国家の真姿顕現であった。道義国家といってもよいだろうか。彼のこのような国家観のもと、魂=イデア(神的要因)、および物の理を司る学問=科学(必然要因)との融合を完遂すべく建設された学園、それがアカデメイアである。本学における当初よりの研究課題には:1)数学諸学および政治理論の厳密学、並びに2)政治的実際家の養成、があった。少年期(至17,8歳):数学的諸学科の自由学習、青年期(至20歳):強制的体育訓練、(至30歳):数学的諸学科相互の統一学習、(至35歳):第一次選抜者による哲学的問答法の学習、壮年期(至50歳):公務経験、そして以降の老壮期には、第二次選抜をへた少数の者が全存在の究極原理である「善のイデア」の哲学的認識に邁進しつつ、国政の任にあたる事を本義とした(以上ママ或は改変)。後には、自然科学も加わり、学園の隆昌をみたという。紛う方なき偉著である。ところで、本学園の歴史を俯瞰する傍らで、弟子アリストテレスの師プラトンへの激慕の情から離反へといたる逸話には、ある種の感慨を抱いた。“弟子の恩返しとは師を超えること”なのであろう。本著の重版再開を心から願ってやまない。 名料理人による上品な一皿 西洋古典学に長く携わってこられた碩学、廣川洋一氏の若き著作が、新装版で改訂・復刊された。広く渉猟された文献に基づいて、師プラトンのアカデメイアは、ここに、堅実に、そして多面的に、描かれる。廣川氏の論述は、プラトンのアカデメイアがもっていたとしばしば考えられがちな「秘教的」「秘術的」な色彩をできるかぎり回避し、先行研究の対立には、穏健で中庸をえた解決を見いだしていくものである。この手の著作にしばしば見られがちな一方向からの視点に偏ることなく、問題を読者自身が豊かに考えさせられると言いうる。 加えて、アカデメイアとは何なのか、とは、プラトンとは誰なのかを問う営みに他ならないとすれば、この本は、ひとつの善きプラトン入門書ともなるであろう。
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[ 文庫 ]
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マタ・ハリ―抹殺された女スパイの謎 (ハヤカワ文庫NF)
・ラッセル・ウォーレン ハウ
【早川書房】
発売日: 1995-03
参考価格: 857 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,760円〜
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・ラッセル・ウォーレン ハウ ・Russel Warren Howe
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カスタマー平均評価: 0
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