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[ 文庫 ]
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中国説客(ぜいかく)列伝 (徳間文庫)
・守屋 洋
【徳間書店】
発売日: 1986-09
参考価格: 347 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,800円〜
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・守屋 洋
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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書物の出現〈上〉 (ちくま学芸文庫)
・リュシアン フェーヴル ・アンリ=ジャン マルタン
【筑摩書房】
発売日: 1998-11
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,799円〜
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・リュシアン フェーヴル ・アンリ=ジャン マルタン ・Lucien Febvre ・Henri‐Jean Martin
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カスタマー平均評価: 4
『書物、この酵母』(8章タイトルより) 本書は、フランスの歴史家でアナール学派の創始者であるリュシアン・フェーヴルと「古文書学校教授」アンリ=ジャン・マルタンの手から産み出された、極めて知的興奮に満ちた書物である。
これだけでも推薦の価値があるのだが、上巻のみ推薦に足るというわけではないので、上下巻のスペースを借りて、ポイントを(もちろん知的興奮を殺ぐようなことにならないよう注意して)述べたい。
まず、E・H・カーに従うなら、『歴史家』について述べねばならないだろう。ご存知の方には申し訳ないが、「アナール派」について、邦訳者の『解題』から引用してみたい。ひいては、邦訳者の認識も含まれていると考えられるからだ。
『一九世紀ヨーロッパ史学界に広まっていた考証学的研究を偏重する実証主義の風潮に反発し、歴史家自身の問題意識の下に仮説設定・検証の手続きを踏んで行なわれる主体的な歴史学を提唱。そして同時に、外交史、政治史中心の事件史と訣別し…(中略)…隣接の社会諸科学の最新の成果をトータルに理解しようと努めたのである。』(下巻p275)
こういった視点である。
したがって、本書の構成は(1)活版印刷による書物が出現するための要件、(2)定着に関わる要件、(3)綜合もしくは影響と役割の見積もり、となる。(1)に相当するのが上巻第一章(以下:上n章と表記)『前提条件』上二章『技術的問題』であり、(2)は上三章『体裁』上四章『商品としての書物』上五章『本造りの世界』下六章『書物の地理』下七章『取引』が、相当する。(3)最終の下八章である。
すっきりした構成である。それゆえ、ほかのメディア史を考える際の大枠にもなるだろう。応用が広い。
次は下巻スペースにて、本書の取り上げる問題意識と、読む際に小生の感じたことをお伝えしたい。 偉大なる活字印刷技術 「読書の歴史学」を標榜するロジェ・シャルチェの出発点となった本です。いわずと知れたフランスの歴史学者リュシアン・フェーブルです。シャルチェはもちろん,この本を批判しているのですが,何も知らない私にとっては非常に勉強になります。もちろん,ヨーロッパにおける印刷技術の発展の歴史を知るとともに,全8章のうち1章は「書物の地理」というテーマに割かれている。それから,ルターの宗教革命との密接な関係。まさに物質的な歴史を通して精神史を考える。フェーブル歴史学に欠かせないテーマです。 「本」そのものに興味のある人に それまでは世の中に無かった「書物」というものが登場して以来、本や印刷物 、印刷術などはどのように発展してきたのか。歴史的にどんな影響を与えた のか。背景にはどのような文化があったのか。本を作っていた人々はどのよう な生活をしていたのか。そしてその本を買う人々はどんな人たちであったの か。書物をめぐる、以上のような事柄が分厚い文庫本にたっぷり盛り込まれてい ます。今でこそ、誰でも買え、どこにでもあり、階層に関係なく利用する 「書物」ですが、印刷の技術ができた時代には今とは相当違うバックグラウン ドを本は有していたわけです。 本の文化史として読め、歴史としても面白い本です。 ただ一文が長く、訳しにくいフランス語の文章をどうにかして日本語にしたのある所があり、多少読みにくいと思います。
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[ 文庫 ]
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占領史録〈下〉 (講談社学術文庫)
【講談社】
発売日: 1995-07
参考価格: 2,243 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,666円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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異神〈下〉中世日本の秘教的世界 (ちくま学芸文庫)
・山本 ひろ子
【筑摩書房】
発売日: 2003-07
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 3,990円〜
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・山本 ひろ子
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カスタマー平均評価: 5
中世日本の文献探求の奥深さ。 想像以上に難しい本だった。が、面白いのだから文句は言えない。 本書が取り上げる神様はマイナーで、かろうじて名前は知っているというものばかり(上巻:新羅明神、摩多羅神/下巻:宇賀弁才天、牛頭天王)。これらの多くは由来が定かではなく、本来、神道の神なのか、道教なのか、密教なのかも良くわからない。こうした神様を4つも取り上げて詳細に論じるのだから驚きです。いずれも中世日本の宗教を考える上で興味深い存在であり、その本質を無数の文献や、密教の修法、習合過程に探っていくのは大変に関心をそそられます。 善と悪を転換させ、悪神すら信仰の対象としてしまう日本独自の宗教観に迫る力作です。図版多数。
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[ 文庫 ]
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占領史録〈上〉―降伏文書調印経緯・停戦と外交権停止 (講談社学術文庫)
【講談社】
発売日: 1995-06
参考価格: 2,243 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,597円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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さかさまの幽霊―“視”の江戸文化論 (ちくま学芸文庫)
・服部 幸雄
【筑摩書房】
発売日: 2005-01
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,595円〜
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・服部 幸雄
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カスタマー平均評価: 4
「さかさま」「まさま」 うんざりするような古臭い歌舞伎論かと思って読んでみると、全く予想とは異なり、示唆に富んだ興味深い考察だった。 さかさまの幽霊はいつごろ、どのようにして、どうして生まれてきたのかが膨大な文献資料によって推断されている。この本はそれだけに止まらない。 和合神や貧乏神、果ては河鍋暁斎にまで言及している。特に和合神などは、その性質や容貌など、全く知らなかった人もいるのではと思われる。そのほとんど知られることの無かった和合神の多くの図像を掲載して、中国語の発音や日本の絵師の流派などについて詳細に調べ、その意味や、歴史の変容を明らかにし、江戸の人々の心性を見事に解き明かして見せた。 稀に見る論文の好著である。
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[ 新書 ]
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大坂冬の陣夏の陣 (1972年) (創元新書)
・岡本 良一
【創元社】
発売日: 1972
参考価格: 357 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,535円〜
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・岡本 良一
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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江戸巷談 藤岡屋ばなし (ちくま学芸文庫)
・鈴木 棠三
【筑摩書房】
発売日: 2003-05
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,500円〜
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・鈴木 棠三
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カスタマー平均評価: 4
平和な江戸も事件満載 幕末の江戸で、古本屋を営みながら、一日中書き物をしていたという藤岡屋の残した記録。 内容は、実話、奇談などあらゆる方面に及ぶ。 中でも多いのは、事件の顛末、犯罪者の生涯。 冒頭に「藤岡屋日記について」という解説があり、これによって、藤岡屋という人物と、この本の概略を知ることができる。 あとは原本から面白そうな話を選んで、巻数に従って並べてある。 原文の引用も多いが、解説の所だけ読んでいても分かる。 解説は、地名、役職の考証が加えられており、どの程度真実味があるか分かる。中にはでっちあげと思われる事件もある。 最近では、江戸は平和だった、安全だったという評価がされているが、この本を読むと、殺人や強盗がしょっちゅうあったようにも感ち?られる。 著者の資料が古かったためと思われる誤りが一カ所。 「松平大学頭(奥州守山=福島県田村郡守山。二万石)」という注記。(p81) 現在、田村郡には「守山」という町はない。調べたら、以前は田村郡に属していた「田村町」に「守山」という地名があった。郡山市に併合されたのは1965年のこと。それ以前の資料をもとにしているらしい。
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[ 新書 ]
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日本の歴史〈上〉―「くにのあゆみ」批判 (1955年) (三一新書)
・井上 清
【三一書房】
発売日: 1955
参考価格: オープン価格
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,500円〜
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・井上 清
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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水晶宮物語―ロンドン万国博覧会1851 (ちくま学芸文庫)
・松村 昌家
【筑摩書房】
発売日: 2000-12
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 4,489円〜
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・松村 昌家
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カスタマー平均評価: 4.5
一建築物の生涯へ 水晶宮のことを私が初めて知ったのは、高坂正堯氏「現代史の中で考える 第1部:大英帝国の場合」であった。高坂氏の著述は英国の衰退について述べたものであるが、氏は、「史上初の万国博が意味したもの」として、大英帝国の繁栄の絶頂の象徴である、第1回万国博覧会と水晶宮を著述の冒頭に置いたのである。 次に、森薫氏のヴィクトリア朝ラブロマンス、「エマ」で、再び水晶宮に出会った。過去のささやかな幸せ、未来に待ち受ける悲しみと苦しみの狭間で、今現在、一日だけ夢と希望と、愛を確かめた恋人達の舞台として、水晶宮はまさにふさわしい。 この著作の主人公は水晶宮という建築物であるが、その生と死には、繁栄と衰退、喜びと悲しみ、建設と崩壊、希望・努力と絶望・空しさ、全てがある。彼の86年の生涯に、一読者として脱帽し、涙を手向けたい。 150年前の万国博覧会 折しも2005年、愛知万博が開幕したが、 遡ること、150年あまり、 1851年、ロンドンで万国博覧会が開催された。この万博のランドマークは、鉄とガラスで造られた、 水晶宮(クリスタル・パレス)であった。 こんにちでも、ヨーロッパの鉄道駅で見かけられるような、 力強く、それでいて陽光を取り入れることが可能な、 構造物であったろう。 会場はハイド・パークであり、当時、楡の木を伐採することの是非が 議論になったなどと読むと、愛知長久手地区の論争を思い起こす。 ひとつの遠大な目的に向けて駆け抜けた精力と活気を感じさせる
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