新書・文庫書店

内容
汗と涙と感動を呼ぶ甲子園、それは今や日本における夏の最大のイベントである。 従順・努力・忍耐・規律等の近代的規範が渦巻いている甲子園では、現代的感覚をもつ女子大生の目には、どのように映っているのであろうか。 それを探るためには、女子大生にアンケートを行い、その結果に基づいて質問項目をたてて整理したものである。これこそ後近代から近代への問いかけといってよい。
規範的な姿を演じる高校野球の存在を考える
この本は、おそらく高校野球から最も遠い存在であろう女子大生の
単純な疑問に答えていくという形で、そのあり方や問題を洗い出している。

私自身、最後のバッターがどうやってもアウトなのに一塁にヘッドス
ライディングするナルシズム的な敢闘精神や、その姿に賞賛の拍手を
贈る観衆に対してなんとも言えない冷めた気持ち（それはおそらく
大人から見た「爽やか」「学生らしい」という好ましいイメージを演
じている姿に「もっと自分の価値観でふるまえよ」というもどかしい
気持ち）を持っていたこともあり、本書はまさに『意を得たり』という
ものであった。

女子大生からの疑問は "勝つとなにかもらえるの？" とか "なぜバント
するの？" "勝つとなぜ校歌が流れるの？" など多岐に及ぶが、やはり
一番考えさせられるのが『高校野球への問いかけ』の章。
"なぜ坊主刈りが多いの？"、 "なぜ汚れるのに白いユニホームが多いの？"
"絶対に監督の指示に従わなければいけないの？" など、現代の若者から
見て「最も若者らしくない姿」を考えていく。
五ッ星評価：★★★☆☆

少林寺拳法に興味のある人におすすめです。
　私は某大学の体育会少林寺拳法部に入ったばかりの１年生の時に、この本を先輩にすすめられて読みました。

　この本の冒頭では、まず少林寺拳法の特徴が説明されています。少林寺拳法が「自己確立」をめざした武道であることや、成り立ち、入会の方法、道院（少林寺拳法の道場の呼び方）での礼儀など、初心者や少林寺をやってみたい人が知りたいことについて書かれています。

　冒頭より後の部分では、少林寺拳法の基本的な技術が写真付きで説明されています。もちろん、少林寺拳法の技術を学ぶには実際に体を動かして、互いに教えあうことが欠かせません。でも、この本の図解は、少林寺拳法を始めた人が、道院にいないときに技の確認や復習をしたりするのに役立ちます。また、少林寺拳法をやってみたいという人にも、少林寺拳法の技術がどんなものかイメージするのにもいい図解だと思います。
　大学２年以降、新入部員の後輩に少林寺拳法を説明するときにも参考にすることがあり、４年間読むことの多い本でした。