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[ 文庫 ]
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空からの民俗学 (岩波現代文庫)
・宮本 常一
【岩波書店】
発売日: 2001-04
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 1,050 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 398円〜
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・宮本 常一
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カスタマー平均評価: 4
空からのあるく・みる・きく 佐野眞一の仕事に依り、今でこそ「旅する巨人」と言われる宮本常一(1907-1981)だが、1965年に大学の定職につくまでは、ずっと山口の農家と民俗学を二足の草鞋で並行してやっていた。その背後にはもちろん、渋沢敬三の支援があったのだが、その居候生活の最中、生活は極めて質素なものであった。
こうした生活と、そこから絞り出すようにして迸る力で見聞きしてきた日本の民俗の諸側面は、『忘れられた日本人』に見られるように、柳田國男も知らずに他界した、日本の高度成長期の行く末を生きる人々に、過去を振り返らせ、現在を再認させる意味をになってきた。
本書に収められた文書も、もともとは観光ブームに乗った会社から刊行されていた『あるくみるきく』や『翼の王国』といった冊子に1978年から1980年にかけて掲載されたものであり、「お題」のように呈示され、地上と空から撮影された、日本各地の32枚の写真を受け、目前に開けたその風景が、どのような来歴をたどって今に至ったかを「読ん」で見せてゆく。そうすることで、その風景を作ってきた人々の体験を想像の中で辿ってゆき、読者達に宮本の見てきた「忘れられない日本人」を思い出させながら、その向こうの未来をいっしょに考えようとしている。読者は本書を読みながら、宮本常一の眼の動かし方を見習うことになるだろう。それが本書の最大の魅力であろう。
解説を書いている香月洋一郎の文章もまた良い。宮本の没後、1989年に、やはり同様の仕事をしようとした著者ならではの言葉である。
なかでも私が特に感心したのは「男体山」の文章であった。宮本が日本の風土を見る目を開いてくれたのが、ハーンであり、モースであり、バードだったと述べている。外からの好意的な「あるものさがし」が、宮本の民俗学に風を巻き起こしていたのである。 静かで力強い文章 前半は,日本各地の航空写真をもとに日本人の生活の跡を想起するエッセイ。航空会社の機内誌に連載したものと思われる。一つ一つは短く,派手さはないが,宮本常一独特の静かで力強い文章が味わえる。田舎だけでなく新宿副都心も対象となっている。
後半は各地の写真を使っている。宮本自身の旅の回想をベースにしながら単なる感傷ではなく,根を張って生きる人々の足跡を力強く刻もうという意思に溢れている。 宮本民俗学のいわば「画文集」 エッセイ集であり『忘れられた日本人』ほどの濃密さはないが、古き良き時代の日本の地方の風景写真を読み解く語り口が心地好い。個人的には、就寝前に一二編をひもとき、子供の頃の田舎や友人のことどもを思い出しながら楽しく読んで眠りについた。 生活を読み解く 民俗学の巨人にして、日本各地を歩いた旅の達人、宮本常一。彼の著書は数々あれど、民俗学に興味がない人でも楽しめる本といえば、コレ。一枚の写真をもとに、人々の生活をどう読み解くか。
旅好きの人におすすめ。 旅する巨人の写真解読術 旅する巨人宮本常一のエッセイ集。旅の巨人は空から地上を見るのが好きだという。本書では、空から撮影した写真を元に、その地域の歴史、生活など多岐にわたる解説を自由自在に繰り広げている。田の大きさ一枚から、軒先の洗濯物一枚からさえも、過去の生活と変化を読み取ってくる。その博識の様はすさまじいとしか言いようがなく、自分の無知さをこれでもかと知らしめてくれる。本書に納められた32枚の写真と宮本の文章は、32の土地の貴重な記録であり、32の旅行記としても読める。 日本を隈なく歩いた旅の巨人も男体山には行ったことがない。それはモースが男体山に言及した著書「日本その日その日」に深く感動したため、モースの時から時間を経た現地に足を運び、夢を壊すのがいやだったからだと言う。そして後年モースも、もう一度日本へ行かないかと誘われたとき、夢が壊れるからといって断ったそうだ。宮本とモースという二人の学者の景観に対する繊細な態度が伺える。 文庫であるので旅に持って出てもよい。人文景観を切り口として集落の生活を探ろうとした宮本の方法論により、風景の見方が一変するだろう。「旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三」佐野
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[ 新書 ]
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日本《島旅》紀行 (光文社新書)
・斎藤 潤
【光文社】
発売日: 2005-03-17
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 397円〜
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・斎藤 潤
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カスタマー平均評価: 4.5
島に行くために島に行く 島は街中に住んでいる人にはとてつもない異郷です。
文化,自然,コミュニティ,どれをとってもあまりの違いに,訪れる人たちはなべて研究者になります。
その物流と経済的問題に目をつけた人は社会学者に,
祭りに魅了された人は民俗学者に,
生き物や草木の違いに注目した人は生態学者に,半日も島内をぶらついているといろいろと取っ掛かりがつかめます。
著者はいろいろな「?」がなげかけられる島を旅し続けます。
警戒心を持つ島の人々ににこやかに挨拶しては,地のお酒を呑みます。
そして分からないことは分からないまま島を後にします。
未知を探ることは一番楽しい旅の姿だと思いますが,きっと著者は一生体が動く限りこの楽しい旅を続けるのでしょう。
また次の旅が終わったら,そのお話をまとめておすそ分けしてくださいね。 滅多にいけないそんな旅 好きでなければまず行けない、そんな島旅。
数人しかいない島、定期便がない島…行く事はなかなかできなくても
そんな島に気分だけでも誘ってくれる本です。
南大東島に行きたくなりました 行ってみたいなあ。そう感じさせる本です。 〜タイトルに引かれて読み始めたのですが、楽しい本でした。 島国日本の中の小さな島、離島と言われるところの情景、くらし、生活、文化を紹介してくれる本です。 8つのテーマ、計34の島が紹介されています。 その島に渡るまでがドラマになり、人との出会いがドラマになり、その会話もドラマになる。 著者は、その島での生活を「豊かさ」というキーワードか〜〜ら、問いかけているようです。 「こんなもんしかないけど」と出される食事、料理の豪華さ、新鮮さ、おいしさ。 そしてゆっくり流れる時間の豊かさ。 行ってみたいなあ。そう感じさせる本です。〜 惜しみなく☆をつけたい気分 私は島にも旅にもさほど興味があったわけではないけれど、東京神田の三省堂に行ったら、この本がワゴンに山積みになっていたので、なんとなく手に取りました。パラパラめくっておもしろそうだったので買ってみましたが、へたなフィクションよりもずっと没入しました。 島人との出会い、暮らしぶり、歴史や文化が、旅のおもしろさとともにぎゅぎゅぎゅっと凝縮されていて、ページをめくるたびに、弾むように目の前に転がり出てくるという感じかな。長年、島に魅せられて旅をしてきたという筆者の島への執着ぶり(こだわりなんてものではない!)は、読む価値大!です。 骨太の旅行本 この筆者は、かなり旅をしている。今回は「島」の話だが、日本中をくまなく旅をしている様子が伺える。旅の醍醐味である「出会い」を大切にしていることが感じられて好感がもてるのがいい。人との出会い、食事との出会い、酒との出会いなど臨場感がみなぎっていてあたかも自分で旅をしている気になってしまう。私もこのような旅をしばらくしてないが、この本を読みながら疑似体験をしたいと思う。いつの日か筆者のようにのんびりと島旅するのを夢みながら。 次回は「世界の島」を期待する。
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[ 新書 ]
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地理空間 (文庫クセジュ 578)
・オリヴィエ・ドルフュス
【白水社】
発売日: 1975-06
参考価格: 897 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 397円〜
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・オリヴィエ・ドルフュス
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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多重都市デリー―民族、宗教と政治権力 (中公新書)
・荒 松雄
【中央公論社】
発売日: 1993-11
参考価格: 795 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 397円〜
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・荒 松雄
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カスタマー平均評価: 5
「通過地点」ではもったいない インド好きの間でもデリー(新旧ともに)の評判は芳しくありません。
ベナレスやカルカッタに何度も足を運ぶ旅人の間でも、デリーは単なる通過地点と見られることが多いそうです。
確かにインドといって頭に浮かぶ名所の多くは、デリーから離れた場所に位置します。
しかしデリーには、知られざる魅惑的な空間が点在しているのです。
本書はそんなデリーを昭和20年代から見つめ続けてきた研究者が、初心者にも分かりやすく書いた「デリー歴史散歩案内」とも呼べる作品です。
是非、本書を片手にデリーの下町を歩いてみて下さい。
遙かムガル帝国の人びとの息遣いが聞こえてくるに違いありません。
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[ 新書 ]
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倉敷・津和野・萩 (ニューガイドトップ)
【弘済出版社】
発売日: 1992-10
参考価格: 795 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 399円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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アイヌモシリを巡る鳥見旅
・韮澤 光治
【ブイツーソリューション】
発売日: 2005-12-24
参考価格: 525 円(税込)
販売価格: 525 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 388円〜
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・韮澤 光治
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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首都圏ホテルガイド〈2000年版〉
【一季出版】
発売日: 1999-10
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 388円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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まっぷる街ナビ 名古屋 (まっぷる街ナビ)
【昭文社】
発売日: 2003-09
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 381円〜
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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金成の史跡散歩―金売吉次のふるさと
・金野 正
【刀水書房】
発売日: 1992-07
参考価格: 387 円(税込)
販売価格: 387 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・金野 正
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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車窓はテレビより面白い (徳間文庫)
・宮脇 俊三
【徳間書店】
発売日: 1992-08
参考価格: 469 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 383円〜
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・宮脇 俊三
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カスタマー平均評価: 3
第三セクター 1989年に出た単行本の文庫化。 『問題小説』や『日本鉄道名所』に連載された23篇が収められている。日本各地の鉄道を乗り回した体験記で、特に第三セクターの話が多くなっている。 面白かったのは愛知環状鉄道。国鉄の岡多線が第三セクターになったものだが、名古屋近郊なのに切り捨てられた理由とか、線路の贅沢さとか、当初のコースからの変更などが詳しく語られていて興味深かった。鋭い風刺も効いている。 全体としては、しかし、やや低調。安定した面白さだが、水準を越えるものが少ない。 タイトルにもビックリした。
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