新書・文庫書店

シルバー・クルセダー
いかにもアメリカ映画的な作品の『サイボーグを倒せ』です。イラストもなんかそんな感じです。本書の特徴は、ヒーローである主人公が4つの超能力のうちどれかを選ぶマルチストーリーであることです。
『サソリ沼の迷路』も3つのマルチストーリーでしたが、実質的な冒険としてはどれを選んでも大差ありませんでした。行く場所はどうせサソリ沼でした。しかし本作は選んだ超能力の違いで、ストーリーも展開も全く異なってきます。
一度クリアしても、また違う選択肢を辿ることにより幾度も楽しめる、というのがそもそものゲームブックの売り文句でしたが、本当の意味でその楽しさを追求できるのは本作が初めてかもしれません。

内容としては、主人公はヒーローなので、市民の間で日常的に起こる事件やトラブルを解決して行きながら、恐怖結社の秘密会議がいつどこで行われるかの情報収集をするというものです。
4つの超能力のうち、持っている1つが最初から決まっていたら、選択肢を選ぶ余地が少なくなってしまうのではないか、と考える向きもあるかもしれませんが、そんなことはなかったです。ゲームとしてもそれなりに楽しめましたし、持っている超能力の違いで、事件の解決の仕方も違ってくるので、物語としても読みごたえがありました。

そういえば、ファイティング・ファンタジーシリーズで、主人公に名前がある作品って珍しいですね。しかも邦題がサイボーグを「倒せ」という命令形なのも珍しいかも。
君はアメンリカンヒーローだ
自分がアメリカンヒーローになって物語を進めていきます。
4つの超能力から一つを選び、能力ごとに話の進行も変わり、４つのストーリーが楽しめます。

数あるビートルズ本の中でも！
　数あるビートルズ本の中でもひとつ頭が出ているっていう感じかなあ。アストリットが撮影した例のおなじみの写真も載っているが、それらが撮られた背景なんかもよく書かれていて、すごい！スチュとアストリットがいて、その後のＢ'sがあったことを、この本世読んで改めて確認することができる。Ｂ'sフォロワーは必読の好著。
スチュアート サトクリフを知っているかい。
この本はアストリット・Kの口から彼女の恋人であったスチュアート サトクリフについての多くが語られる。ビートルズの原石はジョンとポール以前に、ジョンとこのスチュアート サトクリフによって結晶化したと言っていい。ビートルズが単に２０世紀を代表する音楽家にとどまらず、社会的、文化的にこれだけ影響力を持ったのはジョンとスチュアート サトクリフの知性と芸術性が在ったからだ。 カメラマンのアストリット・Kとデザイナークラウス フォアマンらの自由は実存にありを希求する姿は当時のロックンロールの精神に通じ、黎明期のビートルたちは如何にインテリジェンスに富んでいたかが想像できる。

アストリット・Kは最もロックンローラーらしいビートルズをフィルムに収めた唯ひとりのカメラマンであり、彼女の言葉は一面哀しげではあるが、しかし彼女の言いたいことはただ一つ、画家スチュアート サトクリフはビートルズの真のオリジナルメンバーであるということではないか。
まだ続く発見
アストリット、スチュ・サトクリフ、クラウス・フォアマン・・・・ビートルズに魅せられ、関連書籍を読みあさった過去を持つ人（自分も含めて）には、「ああ、あの」とすぐにピントくる名前であると同時に、「知ってるよ、もう」、という反応をしてしまうのではないでしょうか（自分もそうだった）。でも、ちょっと待って。この本は本当におもしろい。日本人のライターが直接アストリットに会い、何度も取材を重ねた末に書かれたノンフィクションです。話の中心はあくまでもアストリットという一人のドイツ人女性の半生です。無名時代のビートルズと知り合い友達になった。そのことが彼女の人生にどういう影響を及ぼしたのでしょう。ビートルズとの交流の様子が詳細に描かれる数々の場面は、まるで自分がその場にいて見守っているような気分になります。そして現在に至るまでのアストリアの心の変遷についても、興味深く読むことができました。本人にとってもこの本のために語ることは、癒し的な効果があったのではないか、などと思ってしまいました。一度読み始めると、一気に最後まで読みたくなる本です。